3 臓器:大事な大事な役割分担(2)

細胞たちの4つの役割分担(組織)、確認できましたね。

これら組織は自分達の担当に合った形をした細胞の集まり。

例えば、上皮組織の皮膚の役目は

「外界の刺激から身を守ること」です。

すぐに傷んでしまうので、

代わりの細胞を常に準備しておく必要があります。

でも使えるスペースには限りがあるので、

平べったい細胞をたくさん重ねておくことにしました。

これが「扁平上皮細胞

(層を重ねて準備する平べったい細胞)」ですね。

同じ上皮細胞でも小腸上皮の目的は

「栄養分をできる限り体の中に取り込む」こと。

だから表面積を広げるために、凸凹をたくさん準備してあります。

「腸絨毛」と呼ばれる構造ですね。

このような吸収や分泌に適した形の細胞は

「単層円柱上皮」です。

同じ組織でも細胞の形が違う理由、分かりましたね。

試験で問われるのは、特徴のある組織の細胞です。

「その細胞は、何の目的でそこにいるのですか?」

これを確認したいがための質問なのです。

先程確認した重層上皮細胞の場所と働きは、まさにその例。

あと質問されやすいのは、

何かを分泌することに特化した円柱上皮と、

別な働きの間をつなぐ移行上皮ですよ。

 

組織が集まって特定の働きを担ったものが、器官です。

例えば心臓の働きは

「血液を送り出すポンプ」ですね。

ポンプだから動くための筋組織さえあれば他はいらないか。

…そんなことはありません。

動くための命令を伝える神経組織が必要です。

スムーズに動くために、表面を覆う上皮組織も必要です。

動いているうちにずれていってしまわないように、

結合組織も必要ですね。

このように、組織が集まって「心臓」という器官が完成するのです。

 

さらに器官が集まって一定の役割を果たせるようになったものが、

器官系です。

心臓は「血液を送り出すポンプ」ですが、

血液が通る管(管)「血管」と、

中を流れる「血液」がないと、

全身細胞に血液を届ける役割を果たすことができません。

だから、心臓・血管・血液がそろって

「心血管系(循環器系)」という器官系です。

組織、器官、器官系のイメージ、つかめましたね。

 

そして器官や器官系を知るということは、

「個体として生きていくには何が必要?」を理解することにつながります。

前回確認したところですね。

心臓が止まると死んでしまう…は循環器系の必要性。

呼吸が止まると死んでしまう…は呼吸器系の必要性。

食べ物がないと死んでしまう…は消化器系と泌尿器系の重要性。

眠らないと死んでしまう…は、

眠りによる休息を含んだ、神経系・内分泌系の重要性に対応しています。

 

もちろん、他にも必要な器官系は残っています。

筋骨格系がないと、体がぐにゃぐにゃで動けません。

生殖器系がないと、子孫を残すことができません。

でもとりあえず「個体として生きる」ことを重視すれば、

優先順位は少し下がってきてしまいます。

だから解剖生理学の教科書では、

先の循環器系・呼吸器系・消化器系と泌尿器系・脳神経系・内分泌系を

説明する時間が長くなります。

ここは「生物」のおはなしですから、

全てをおはなしするには時間も分量も足りません。

 

次回からは消化器系の一部分と、

呼吸器系と循環器系の一部分について

「あくまでも簡単に」おはなししますからね。