1 総論:微生物の大まかな分類(1):イントロダクションと真菌

「生物」より小さな「微生物」。

実は、とても多種多様な存在です。

ここで真面目に分類を始めてしまうと、

分量が多いうえに、何を勉強していいのかが分かりにくくなってしまいます。

だから、ここでするのは「大まかな分類」。

「勉強を進めていくうえで、これだけは理解しておいてね!」というものです。

 

看護で「微生物」と屋ばれるものは細菌、真菌、原虫、ウイルス。

ウイルス以外は細胞からできている「生物」。

ウイルスは細胞で出来ていない「生物?」です。

1年前期で「(基礎)生物」を勉強しているはずですから、

そこの復習を簡単にしてから細菌、真菌、原虫を分類していきましょう。

その後で、これまた1年前期で勉強したはずの「生化学」の復習になる

ウイルスについてまとめますよ。

 

生物は「細胞」からできています。

細胞は生命の共通最小単位で、

核、細胞膜、細胞質からできている…でしたね。

核膜に覆われた核を持つものが真核細胞。

核膜に覆われていないものが原核細胞です。

微生物の「生物」のうち、真菌は真核細胞。

細菌と原虫は原核細胞です。

ヒトは真核細胞からなる真核生物ですから、

微生物の中で一番近い存在なのは「真菌」ですね。

 

(1)真菌

「真菌」は酵母やキノコ、カビが含まれるグループ。

看護で「真菌」というときには、

「カビ(カンジダによる膣炎、白癬菌による水虫等)」を指すことが多いですね。

キノコのように菌糸で増えるのが菌糸型。

酵母のように小さな球が出て増えるのが酵母型です。

どちらも「胞子が発芽」する共通点があります。

植物の「種子から発芽」のイメージでオーケーですよ。

相手がいなくても増える無性生殖も、

相手と情報を混ぜてから増える有性生殖もできます。

 

真菌はグルカン、マンナン、キチンというもの(糖質)を作ります。

グルカンはグルコースがβグリコシド結合でつながったもの。

マンナンはグルコースとマンノースが

(2:3で)β-1,4-グリコシド結合したもの。

こんにゃくに多く含まれるので

「コンニャクマンナン」の名前で出てくることが多いですね。

 

キチンはN-アセチルグルコサミンが、β-1,4-グリコシド結合したもの。

ムコ多糖の一員で、エビやカニの殻に多い成分として有名です。

これらは糖を材料に作られた細胞壁の成分。

胞子等が乾燥に耐えられるように、これらの成分で守っているのです。

植物の細胞壁がセルロースで出来ていて、

多少の乾燥になら耐えられるようにしていることと同じです。

そしてここでのグリコシド結合が「α」ではなく「β」であることにも注目。

人が分解するのはデンプン等の「α-グリコシド結合」でしたね。

だから人は真菌の糖質を分解できません。

分解できないと、ここからエネルギー(ATP)を取り出すことができません。

これらは「食物繊維」として体の外に出ていきますよ。

 

次回は、原虫のおはなしに入りますね。