9 ヒトを取り巻く環境(3):生態系(8)

四大公害病でまだ出てきてないのは四日市ぜんそく。

大気中に排出された化学物質のせいで、

気道粘膜が刺激を受けてしまい、

空気の通り道が狭くなってしまったものです。

 

このように大気中に排出されるものも、

生態系に大きな影響を与えます。

その原因は石油や石炭の燃焼で出てくる各種の化合物です。

ここでは酸性雨と温室効果についておはなししますね。

 

酸性雨のもとは水に溶けると酸性になる

硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)。

xのところには「いくつの酸素と手をつないだか」の

数字が入りますよ。

xが1なら、SO(一酸化硫黄)やNO(一酸化窒素)のことです。

たくさん酸素と手をつなぐこともあるけれど、

全部まとめて「硫黄酸化物」「窒素酸化物」とよぶのですね。

 

これらが水に溶けて酸性になると、

生物が生育できるpHからずれた雨が降ってくることに!

植物が枯れ、川や海で魚介類が死に…

生物が生育できない環境が出てくる可能性があるのです。

硫黄酸化物や窒素酸化物は、ヒトの活動のうち

工場の排煙や車の排気ガスといった工業的活動から出てきます。

だからばい煙に対する制限や、

(ガソリンではなく軽油を燃料とする)ディーゼル車の

排出規制があるのです。

 

ディーゼル車はパワーがあり、燃費が良いために脚光を浴びましたが。

窒素酸化物の浄化装置が付いて、ちゃんと作動している

「クリーンディーゼル」でないと酸性雨の心配が残ってしまいますよ。

 

石油や石炭の燃焼で出るのは硫黄酸化物や窒素酸化物だけではありませんね。

当然のことながら、二酸化炭素(CO₂)も出ます。

二酸化炭素やメタン(CH₄)は、

地球から宇宙へと熱が逃げるのを防ぐ役割があります。

宇宙エリアに行くと帰ってこない熱エネルギーが、

地球エリアにとどまるように布でくるんでいるイメージです。

 

一見、「それのどこが問題?」と思いたくなりますが。

大気中の熱が逃げないということは、気温が上がるということ。

気温が上がるということは、

今まで確認してきたバイオーム(や植生の3区分)が変わるということです。

氷が溶けて住みかを追われる生物や、

水面が上がって住みかを追われる生物がいます。

気温上昇で大気の流れが変わり、降水量や降水地域が変化すると、

そもそも生育できる生物が限定される砂漠が拡大する恐れもあります。

 

これら環境変化に対応できない種は絶滅してしまい、

生態系が元に戻らなくなってしまいます。

そんなことになったら大変なので…

排出二酸化炭素量を削減しようと

世界レベルでの取り組みが行われている最中ですね。