1 解剖生理学を勉強する理由(1)

「こんなこと何の役に立つのさぁ!」

こんな悲鳴がよく聞かれる科目、それが解剖生理学ですね。

覚えることの多さに、試験前は一夜漬けが多発。

試験が終わると何にも残っていない…これではあまりにもったいない。

今回は、解剖生理学を勉強する理由をおはなししますね。

 

超が付くほど現実的な話をすれば、

「看護師国家試験の必須科目だから」というのは理由の1つですね。

では、どうして看護師国家試験の必須科目なんでしょうか?

それは、ヒトのことを理解するためには

「生化学」「生理学」「解剖学」の医療基礎3科目がどうしても必要だからです。

 

看護は「人を看(み)る」もの。

他の世界とは違い、人の内面も大事にしていく…という話は、

基礎看護学等で勉強しましたよね。

内面「も」みるためには、外面だって見ないといけません。

外面を見るためには、正常が分かっていないといけません。

「正常」が分からないと、何を「異常」としていいか分かりませんからね。

「正常」の意味する

「ヒトがヒトとして生きていくために適した状態」を勉強するのが先の医療基礎3科目。

あえて分けるなら構造に注目したのが「解剖学」で、

働きに注目したのが「生理学」。

化学反応に注目したのが「生化学」になります。

 

…抽象的なおはなしばかりしていてもつまらないので、質問です。

「ヒトは、どうすれば生きていけるでしょうか?」

哲学の質問ではありませんからね。

答えにくいなら、逆から聞いてみましょう。

「ヒトは、どうなったら死んでしまいますか(生きていけませんか)?」

 

いろいろ答えが出てくると思います。

「心臓が止まったら死んじゃうよ!」

「呼吸が止まったら死んじゃうよ!」

「食べ物がなくなったら死んじゃうよ!」

「眠れなくても死んじゃうって聞いたことある!」

 

どうして「死んじゃう」のかまじめに考えてみると…。

心臓が止まったら、血液が全身に届きませんね。

呼吸が止まったら、酸素が入ってきませんね。

食べ物がないと、細胞がATP(エネルギー)を作れません。

眠れないと、頭(中枢)の働きがおかしくなってしまいます。

 

しかも、これらは独立した話ではなくお互いに関係しあっています。

細胞が効率よくATPを作るためには、何が必要でしたっけ?

グルコースと、細胞小器官のミトコンドリアと、酸素でしたね。

酸素は呼吸から、グルコースは食べ物から。

酸素とグルコースを細胞のところまで運んでくれるのは血液です。

さらに血液を巡らせるのも、酸素を取り入れるのも、

食べ物を食べるにも頭(中枢)から命令が出ないといけませんよ。

 

問いに対しての答えを、

次回は解剖生理学の各分野に当てはめていきましょう。