2 皮膚(3)皮膚に必要なもの

セッケンの基本が分かったので、もう少し先に進みます。

基本的なセッケンで油汚れを落とすことができるので、

これで皮脂もお化粧も日焼け止めもしっかり落として、

皮膚は清潔なのですが…問題があります。

基本的なセッケンは、

水に溶けるとアルカリ性になってしまうのです。

 

皮膚の表面は、

細菌等の増殖を防ぐために弱酸性になっています。

それがセッケンで洗った後は、

アルカリ性に大きく傾いてしまうことになります。

もちろん、皮膚が正常の状態なら、

新しく皮脂を出して、

それが空気中の酸素と反応して弱酸性になり、

表面のpHを元通りにしてくれます。

 

ここで皮脂がうまく出ない

(もしくは出たけど不足!)と、どうなるか。

まずpHが弱酸性に戻るまでにかなりの時間がかかります。

角質防壁で足止めされている間に

細菌等が増殖してしまうことになりますから…

皮膚に何かあったら体の中になだれ込んできてしまいます。

次に油の膜をうまく作れませんから、

水分がどんどん蒸発していきます。

角質に隙間が空いて細菌等が入り込みやすくなり、

しかも痛みやかゆみを感じやすい状態です。

細菌等が角質の隙間から体内に入り込んで、

それを退治するために白血球が集まってくると

炎症(いたい、赤い、熱い、腫れる)のスタート。

さらにかゆみに負けて掻いてしまうと、

その刺激で汗も皮脂も止まってしまいます。

 

…悪循環の完成ですね。

 

これでは正常な皮膚を保てません。

当然ながら「健康な肌」とも言えませんね。

 

この困った状態の出発点はどこだったかというと、

「セッケンが皮膚の表面をアルカリ性にしてしまう」ことでした。

そこで改良された結果が

「中性セッケン(中性洗剤)」や

「弱酸性セッケン(弱酸性洗剤)」です。

中性セッケンは「皮膚の表面は中性になっちゃうけど、

ここからならすぐ元に戻せるよね?」、

逆性セッケン(特に弱酸性セッケン)は

「皮膚の表面は弱酸性のまんまだよ!安心して!」

というセッケンです。

どちらも油汚れを落とす力は控えめになりましたが、

皮膚の表面のpH維持にはとてもやさしくなりました。

 

あとは皮脂をうまく出せないときには、不足している油を追加。

ワセリン等で油分を補充し、

水分を皮膚に保ってあげてください。

これ、アトピー性皮膚炎を悪化させない基本です。

乾燥由来以外のかゆみに対しては、薬(抗炎症剤等)も使って

「掻いたことで汗も皮脂も出なくなった!」ことを

防いでくださいね。