2 皮膚(3)皮膚に必要なもの

セッケンによるpHの変化が皮膚そのものではなく、

皮膚の親戚の「髪」だとどうなるか。

髪の見える部分(皮膚から外に出ている部分)は、

タンパク質そのものです。

タンパク質ということは、

pHが大きく変わると性質が変わってしまう

「変性」の起こる可能性がありますね。

 

基本的なセッケンは、水に溶けるとアルカリ性になりました。

髪を洗った後、

しっかり洗い流さないとセッケンのアルカリ性が髪に残り、

髪のタンパク質の性質が変わってしまう

(「変性が起こる」)のです。

これが「ちゃんとすすがないと髪が傷む」の理由です。

 

この問題に対する解決法は2つ。

「アルカリ性を中和させる(中性付近にもっていく)

酸性のものをつける:リンス」と、

「『アルカリ性にならないセッケン』を作る」ですね。

「アルカリ性に酸性をうまく加えて、

中性にしてしまえば変性しない!」これがリンスの出発点です。

でも現在では

『アルカリ性にならないセッケン』の改良が進んだため、

リンスの目的も「中和する(中性付近にする)!」から

「静電気を防ぐ!」に変わりつつあります。

 

そして髪のはなしをするときに忘れてはいけないこと。

少し堅苦しい言い方ですが、

「髪は皮膚あっての構造物」です。

土台の皮膚の細胞(上皮細胞)なくしては、

髪を作ることはできません。

髪を健康に保つためには、

皮膚を健康に保つ必要があるのです。

そして皮膚を健康に保つということは、

「全身の細胞を健康に保つこと」に他なりません。

 

皮膚の基本構造の最初に、

「細胞が生きるために何が必要か」を確認しましたよね。

全身の、器官系全ての働きが必要でした。

 

だから「発毛したい!」「育毛したい!」と思ったら、

「皮膚の血行を良くする」だけでは不十分。

全身運動になるラジオ体操などをして

(呼吸器と循環器系、筋骨格系に程よい刺激)、

バランスの良い食事をとって

(消化器系を働かせて、必要な栄養を吸収)、

お風呂に入ってちゃんと洗って

(清潔と入浴による全身血行改善)、

よく眠って朝はちゃんと起きる

(脳神経系のリズムを整える)ことが必要なのです。

 

皮膚の清潔について、

セッケンに関係するおはなしをしてきました。

「そこまでして油(皮脂)を汚れとして落とす必要がないのでは?」と

思った人がいるかもしれません。

でも、皮脂はちゃんと落とさないと

皮膚に悪さをする原因になります。

その一例、ニキビ(痤瘡)についておはなししますね。