3 爪(1)基本構造と正常

爪(爪甲)は、上皮細胞(皮膚)が変化したもの。

だから爪を健康に保つためには、

皮膚細胞が健康であることが必要ですね。

爪の主成分はケラチンというタンパク質。

皮膚の角質に多く含まれて、

物理的な硬さを保つのに役立っているのがケラチンです。

 

でも、皮膚の硬さと爪の硬さは何か違いますね。

皮膚の角質にいるケラチンは「軟ケラチン」、

爪のケラチンは「硬ケラチン」です。

少し細かいところですが…

タンパク質の材料アミノ酸の1つ

「システイン」同士が手をつないだ「シスチン」が、

たくさんあると硬ケラチン、少ししかないと軟ケラチンです。

 

爪の硬さはケラチンの違いだけではありません。

3つの相が、方向を変えて重なっていることも硬さの理由。

一番下の「最下層」と一番上の「最表層」は、

同じ方向にケラチンの向きが整っています。

間に挟まれている「中間層」は、

2つの相と直角にずれたケラチンの向きになっています。

こうすれば最表層に小さな傷が入っても、

中間層まで同じ向きに裂けてしまうことを防げますね。

しかも中間層は水分を多く含み、

最表層には油を多く含んでいます。

水分で角質の隙間をふさぎ、油分で水分を保って…

まさに皮膚表面(と汗腺・脂腺)の働きと同じですね。

 

注意しなくてはいけないことは、

爪の見える部分は

「細胞として生きていない(死んでいる)部分」です。

一度傷つけてしまったら、

「細胞分裂をして治す!」ということはできません。

 

「あれ?深爪にしたり、

爪を強くぶつけたりすると痛いのは…?」

 

その痛みを感じているのは、

爪の(最下層の)下にいる「爪床部(これは皮膚)」や、

爪を作る「爪母細胞」。

そこは「爪」ではありません。

「タンパク質の固まり」の爪そのものには、

痛みを感じる神経は通っていませんよ。

だからこそ指先を守ることができる反面、

(異常が起きても元に戻せないので)注意が必要になります。

 

でも「傷ついた爪がずっとなおらない」のは不便ですね。

だから爪は毎日少しずつ爪母細胞で生まれ(作られ)、

どんどん元から先へと押し上げられていきます。

1日約0.1㎜、1か月で約3㎜。

これが「爪が伸びる」ですね。

 

爪は皮膚よりも硬く、

治らないとはいえ長い目で見れば新しく(爪が伸びる)なります。

だから外的圧迫による巻き爪は確かに問題ですが、

「感染」を除けば「爪だけのトラブル」はそこまで多くありません。

「かゆいときにかきむしらないように、短く切る」ことや、

「糖尿病では傷ができると治りにくく、

感覚鈍磨から痛みも感じにくいので、

深爪にならないように注意する」ことぐらいです。

 

ただし

「人工的に爪にものをつける(マニキュア、ネイルチップ)」と、

爪のトラブルが増えてきます。