7 脂質のおはなし(6)

体の中で働く脂質、今回は「ケトン体」のおはなしです。

ケトン体には以前会ったことがありますね。

はい、脳の非常食のところです。

もちろん、糖尿病のところでも出てきましたよ。

 

「ケトン体」も1つのものを指す言葉ではありませんでした。

アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸の3つまとめて、

「ケトン体」です。

どれもアセチルCoAからできていて、

酵素さえあれば自由に形を変えることができます。

アセチルCoA?

糖質代謝のTCAサイクルで出てきたあれ?

 

お見事!

よくぞ思い出してくれました。

そう、糖質が余って脂質になるときには

アセチルCoAが脂質ルートに入っていきます。

そこからできるのが「ケトン体」ですね。

 

このケトン体、アセトンは揮発性。

残る2つは水溶性です。

揮発性ということは、吐く息に出てくるということ。

ケトン体が体の中にたくさんあるときには、

吐いた息の中にアセトンが出てきます。

アセトンは除光液のにおいそのものですから、

あの微妙に甘い匂いが息からしたら…糖尿病の可能性が!

 

なぜ糖尿病か…については

「4 血糖値と糖尿病」のところでおはなししましたね。

糖尿病は空腹時も高血糖。

これは細胞にグルコースが取り込まれていないということですから、

細胞はグルコース不足でおなかペコペコです。

だからATPを糖質から作りたいけど、もう我慢できない!

脂質からでもATPだ…!

そして脳はグルコースしか使えないから、

非常食のケトン体だ…!

復習、できましたね。

忘れていた人は、あとで見直しておきましょうね。

 

そしてケトン体の水溶性組は、水に溶けると酸性です。

酸性に傾きすぎると…よろしくありませんでしたね。

ケトン体原因の血液が酸性に傾く状態は、

ケトアシドーシスでした。

 

つまり、脂質は糖質を使えないときのATPのもとですが、

長期使用は体によくありません。

「長期使用で危ないよ!」のサインは、

吐く息にでる揮発性のアセトン臭。

アセトンは、

血液中で水溶性のアセト酢酸やβ-ヒドロキシ酪酸の形でいるはず。

だとすると血液はケトン体のせいで酸性に傾いているはず…ということです。

 

…糖質からケトン体になることはとりあえずわかったよ。

じゃあ、脂質からATPを取り出すのはどうするの?

 

それは次回からの脂質代謝のおはなしですね。

そこでは胆汁酸とリポタンパク球が働いています。

「胆汁酸」「リポタンパク球」がピンとこなかった人は、

もう1度「7 脂質(つまりこのブロック)」を読み直してから

次回以降を読んでくださいね。