6 身体防御・免疫:侵入者なんて許さない(4)
前回までで、身体防御のしくみを説明していきました。
まずは体の中に入れないこと。
もし入っても、早く体の外に追い出すこと。
それでもだめなら白血球たちの出番です。
これも生体が守る必要のある、
恒常性維持の一部ですね。
ここまでの勉強内容を振り返ってみましょう。
免疫で大活躍した白血球は、当然、細胞です。
細胞が生きるためには何が必要でしたっけ?
酸素、グルコース、水…
適度な温度(体温)も必要でしたね。
だから呼吸器系も消化器系も、
循環器系も神経・内分泌系も大事でした。
そして細胞が生きるためにはATPが必要。
ATPを取り出すためには酵素が必要です。
酵素はタンパク質。
前回ご紹介した抗体もタンパク質です。
酵素は単なる触媒ではありませんでしたね。
適した温度と、適したpHがありました。
もちろん、基本構造のタンパク質のもとは
食べ物から取らなくてはいけません。
細胞膜の材料は脂質が形を変えたもの(複合脂質)と
膜タンパク質。
タンパク質は神経伝達物質の材料でもありましたし、
脂質はホルモンの元でもありました。
「…生物って、何だかいろいろ関連してるね。
気が付くと、化学の話もちらほら出てくるし…」
そこに気付いてくれれば、万々歳。
ヒトの体を理解するための基礎生物のおはなしは、
「細胞レベル」を
「ヒトが生きるため」に関連付けることができればいいのです。
ここまで読んでくれた皆さんは、
生化学も生理学も解剖学も(他の科目も)、
しっかり理解できるはずですよ!