8 ヒトを取り巻く環境(2):バイオーム(2)
草原グループに含まれるバイオームはサバンナとステップ。
どちらも砂漠の隣に位置する、降水量が幾分少ない地域です。
サバンナは年平均気温20℃以上(本によっては18℃以上)の
熱帯・亜熱帯に属します。
主に草木植物(特にイネ科)が生育しますが、
背の低い木なら育つことができます。
動物はシマウマなどの「それなりに大きな動物」が生きていけます。
サバンナは大きめの(草食)動物を養うだけの植物がある、
そしてライオン等の大型肉食動物を養うだけの草食動物もいる…
ということでもありますね。
もう1つのステップは、
気温が-5℃~(18℃もしくは)20℃くらいの温帯。
草木植物の構成は変わりませんが、
こちらには樹木がありません。
動物もプレーリードッグ等の小動物ばかり。
それ以上の草食動物を養う植物が生育できないということですよ。
「サバンナとステップは、砂漠の近くに位置しているから
降水量の少なさで動植物が制限される」ことを意識しましょうね。
続いて、森林グループに入っていきましょう。
まずは熱帯・亜熱帯(年平均気温が18℃もしくは20度以上)エリア。
ここには「熱帯多雨林・亜熱帯多雨林」と
「雨緑樹林」が含まれます。
2つの境目の目安は「年間降水量が2000㎜を超えるか」です。
2000㎜を超えれば、「多雨林」になります。
「熱帯多雨林・亜熱帯多雨林」のうち、
熱帯多雨林は巨大な(50mを超えるものもある)常緑広葉樹が特徴。
動植物の種類が多く、
他では見ることのできない派手な色合いのものも生息しています。
亜熱帯多雨林では、ほんの少し木の高さが低くなり、
動植物の種類も減りますよ。
熱帯多雨林・亜熱帯多雨林は赤道付近にあります。
これは地図を見なくても「あのへん…」とイメージできますね。
日本では沖縄近辺で見られるバイオームです。
あとは熱帯・亜熱帯多雨林の植物として
マングローブを頭に入れておきましょう。
海水の塩分に耐えられるだけでなく、
泥地でも呼吸できるよう呼吸根を持っている植物です。
空気中の酸素を吸うため水上に出ている呼吸根のせいで、
マングローブ林は独特な形をしていますよ。
年間降水量が2000㎜を下回る熱帯・亜熱帯では、
バイオームが雨緑樹林になります。
ここの特徴は雨季と乾季があること。
雨季には葉を茂らせ、乾期に葉を落とす落葉広葉樹林です。
熱帯・亜熱帯多雨林の隣(そしてサバンナやステップの間)に
位置するのですが、
日本には該当するエリアがなく少々イメージしにくいですね。
草原グループのサバンナの低木を支える水分は、
この雨緑樹林エリアの(雨季に)降る雨が関係していますよ。