3 ちょっと寄り道:サイトカインストーム(1)
3 ちょっと寄り道:サイトカインストーム
新コロナちゃんにかかった(感染した)ときに、
出現したら怖いものとして「サイトカインストーム」があります。
起こっていることは「サイトカインの嵐」そのものなのですが。
そもそも「サイトカインって何?」の説明が必要ですね。
本来、サイトカインのおはなしは細かいところなので
「看護師国家試験レベルよりちょっと応用」になってしまいます。
でも、せっかく免疫と白血球の確認をしたところです。
なるべく看護師国家試験を意識しながら、
サイトカインについて簡単に理解してしまいましょう。
神経細胞に神経伝脱物質があるように。
白血球たちが情報を伝達する物質がサイトカインです。
色々なものをまとめて(総称として)
「サイトカイン」と呼びますよ。
その中でもよく出てくるのがインターロイキン(IL)、
インターフェロン(INF)、腫瘍壊死因子(TNF)。
インターフェロンと腫瘍壊死因子は、
免疫だけでなく薬理学でも出てきますね。
「インターロイキン(IL)」も総称。
余りにたくさんあって全部説明することはできませんので、
ここではIL-1、IL-6、IL-12の3つだけを紹介しますからね。
まずは薬に関係する2つから。
インターフェロン(INF)にも
各種タイプやサブタイプがあるのですが、省略。
インターフェロンを出す細胞は
マクロファージやリンパ球(T細胞もB細胞も)等の
白血球組に限定されず、
骨芽細胞や血管内皮細胞などでも作ることができますよ。
働きはマクロファージとNK細胞を刺激して
(元気に働けるようにして)、
変になった自分の細胞
(がん化した細胞や異物に侵入された細胞)が増えるのを防ぎます。
マクロファージは貪食担当で抗原提示細胞。
NK細胞は変になった自分の細胞を、
抗体が付いていなくても処理できる細胞です。
これらマクロファージとNK細胞に元気に働いてもらいつつ、
変になった細胞が増えるのを
ストップさせてくれるのがインターフェロン。
インターフェロンを人工的に増やしたものは、
抗ウイルス薬や抗がん剤として使われます。
特に「肝炎ウイルスC型(HCV)とくればインターフェロン」ですからね。
ただし、インターフェロンは頭痛や熱、だるさ(倦怠感)のもと。
薬として使うインターフェロン
(インターフェロンアルファ:INF-α)の
添付文書を読むと
「その他の副作用」のところに書いてありますからね。