10 各論5:体温(感染・免疫):⑤ウイルスに効く薬(2)

ウイルスはヒト細胞を利用して増えていきます。

ヒトだって、ただやられるだけではありません。

ウイルスに感染した細胞を壊す働きがあります。

白血球のTリンパ球(Th1)やナチュラルキラー細胞、

そしてインターフェロンが「変になった細胞を壊す」担当です。

 

インターフェロンをたくさん作らせて作ったものが、

インターフェロンアルファ(スミフェロン)という薬。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00065151

もともと体内に合ったものですから、

ヒトの体に悪さをしなければよかったのですが…。

残念ながら、警告・禁忌・併用注意がかなりの量になります。

 

禁忌はワクチン等の生物学的製剤に過敏症の出た人と

自己免疫性肝炎の人。

小柴胡湯を飲んでいる人も禁忌です。

 

インターフェロンアルファは免疫を補強することになりますので、

自己を異物として攻撃してしまう自己免疫性の炎症が悪化する可能性がありますね。

また、ワクチンは原則として異物を体内に入れるもの。

そこで過敏症が出たということは、

ウイルスが体内にある状態で免疫(「変になった細胞を壊す」)が補強されたら、

過敏症が出てしまうかもしれません。

 

小柴胡湯(しょうさいことう)というのは漢方ですね。

かぜや肺炎、炎症後の肝臓状態改善に使われるそうです。

なぜか小柴胡湯と一緒だと間質性肺炎が増えると報告されています。

間質というのは、肺胞の外側にある

他の肺胞との「間」にあたる部分のことですね。

 

これらの禁忌も十分怖いのですが。

抑うつ、易刺激性、攻撃的行動や自殺企図が出る可能性があるよと警告されています。

これらの精神症状が出たら、インターフェロンアルファは中止です。

抗ウイルス薬の効果が出始めた(服用から1週間前後)ら、

これらの可能性を意識して、早く気付いてくださいね。

 

併用注意には抗凝固薬のワーファリンや

気管支拡張薬のテオフィリン、抗炎症薬のアンチピリン等が並んでいます。

これらの薬の血中濃度が上がりやすくなってしまいます。

抗炎症薬(非ステロイド系抗炎症薬)のところで、

「ピリン系薬剤」や「ピリン疹」という言葉が出てきます。

もう少し先のおはなしですからね。

今は、ウイルスに効く薬のおはなしを続けますよ。