1 ケース1:え?輸血した?(2)
前回確認した結論からスタート。
このC病院とC病院のお医者さんは、Aに賠償責任を負いました。
裁判所に「Aにお金を払いなさい!」と言われちゃったんです。
どうしてこんなことになったか、分かりますか?
C病院のお医者さんがAの腫瘍を治療したことが悪かったのでしょうか?
「正直、よくわからない」というのが本音では?
ならば、Aの立場に立って考えて見ましょう。
前提情報として「エホバの証人」の目標は、良いことをして天国に行くことです。
でも輸血をして他人の血を体の中に入れてしまうと、
天国に行けないとされているそうです。
さて、Aだったらなんて言いたいところですか?
「お医者さん、なんてことをしてくれたんです?!
私、天国に行きたいから、あんなことやこんなこともしてきたんです。
それなのに、もう天国に行けないんですよ!ひどすぎです!
本当はお金じゃどうにもならないところだけど、
せめてお金だけでも貰わないと口惜しくて…!」
おそらく、こんな感じですよね。
でもこれを読んだときにきっとこう思う人がいるはず。
「…こんなセリフ浮かばないよ?
なんでAは病気を治してもらったのに文句言ってるの?」
はい、この理性的な意見はとても大事。
このずれこそが、ケース1の問題点なんです。
キーワードは「あなたが大事にしていることは何ですか?」。
これ、大事になってくるので覚えておいてくださいね。
いきなりですが、病院や診療所で行われる行為は「医療行為」といいます。
…逆に「医療行為とは何か」と定義しようとすると、結構難しいものですが。
とりあえずは
「人の体(身体)に処置をして、病気を治したり、体の状態を良くしたりすること」
としておきましょうか。
そしてこの医療行為、
実は法律の世界ではいつ「アウト!」と言われてもおかしくない行為です。
…まずは落ち着きましょう。
世をはかなんで、遺書を書き始める必要はありません。
だけど、医療行為は法律の世界では「アウト!」になりうる、
このことは覚えておいてほしいのです。
衝撃的ですよね。
毎日、人のためにやっていることが「アウト!」になりうるなんて。
誰も教えてくれない、大事な事実です。
でも、医療職の人たちは賠償金を求められることなく仕事をしています。
…なぜでしょう。
そこさえ分かれば、「アウト!」ではなく「セーフ」な毎日を過ごせます。
次回、「セーフ」の理由を見ていきますよ。
今回のキーワード「あなたが大事にしていることは何ですか?」、
これは忘れないでくださいね!