1 ケース1:え?輸血した?(3)

アウトがセーフになる理由を確認しますよ。

 

…いきなりですが、みなさんは今までの人生の中で

どれくらい「患者さん」になったことがありますか?

ここは個人差が多いところ。

病院なんて片手で数えるほども行ったことないよ、という人がいるでしょう。

病院で育ったようなもので、今でも結構…という人もいるはず。

入院したり、手術をしたりするときに、

何か紙にサインしませんでしたか?

…そんな機会がなかった幸運な人は、

入院時に患者さんが何かにサインしたことを思い出してください。

 

あれ、何のためにするんでしょう?

単なる、本人確認書類…だけではありませんよ。

 

あのサインこそが、アウトになりうる医療行為をセーフに変える魔法の杖です。

でも、ただのサインでは魔法はかかりません。

魔法をかけるにはどうしたらいいのか。

思い出してください、キーワードは?

「あなたが大事にしていることは何ですか?」ですね。

 

法律の世界では、あなたは個人として最大限に保護されています。

身体も、精神も。

あなたは幸福を追求することが保障されているのです。

…なんだか、新興宗教みたいで変な感じですか?

でも、実際に法律にはそう書いてあるのです。

正確に言うなら、法律の親玉である憲法にそう書いてあります。

 

話を戻すと。

だからこそ、あなたの体を、心を、他の人が傷つけることは許されません。

…例外を除いては。

例外というのは、あなたが本心から「傷つけてもいいよ」と明らかにしたときです。

このときに、だまされたり脅されてたりしてはいけません。

また、十分な情報が聞かされないままに

「傷つけてもいいよ」と明らかにしたときもいけません。

自由な「こころ」と「からだ」で、

傷つけられてもいいのか判断するための情報を十分に与えられたうえで、

それでも「傷つけてもいいよ」と明らかにしたなら…魔法がかかります。

アウトをセーフに変える、医療従事者を救う魔法です。

このように、

患者さんが「私の体、切ってもいいですからね」と言うから手術ができるんです。

「針さして、血を抜いてもいいからな」と言うから、採血ができるんです。

そんなことしているの、見たことがないって?

最初に「これこれのことをしてもいいですか?」と、

まとめてとっているからです。

それが入院時のサインで、手術前のサインです。

 

なーんだ、びっくりして損しちゃった!

それなら、医療行為をしても安心だね!

 

果たして本当に安心でしょうか。

次回は魔法がかかっているかどうかを、一緒に確認していきますよ!