4 行政・制度:(3)欠点の改良(1)

国民の健康を守るためにどうすればいいのか。

健康保険制度だけでは不十分だということが分かりました。

そこで検討に検討を重ねて、

「早期介入の必要性」、「脱・入院隔離」、

「金銭面の回復」を同時に行っていくことになりました。

それぞれについて、簡単に確認していきますよ。

 

「早期介入の必要性」は、

医療提供の場を広げる空間的側面と、

「病気になる前の状態に介入」する時間的側面があります。

 

病院や診療所といった典型的な医療機関だけではなく、

市町村や保健所といった行政機関、

教育機関やさらには民間団体(企業等)に対しても、

医療の場を広げることにしました。

 

以前、民法パートで労働関係法のおはなしをしましたね。

そのときの労働三法には含まれていませんが、

労働者の安全と衛生を守るための法律として労働安全衛生法があります。

職場での健康診断義務付けや、

その後の受療行動について定められていますよ。

 

広めた医療の場の主目的は、一次予防。

各種健康診断を行い、できるだけ早く医療介入をしていくことで

「病気になりそう」が「病気になる」ことを防ぐのですね。

 

だから看護師国家試験にBMIやローレル指数等の計算問題が出てくるのです。

正常値(正常域)を理解しているか、

いざというときにその場で計算できるか。

これらは医療を提供する(健康相談・助言等)看護師に

要求される水準だ、ということですね。

 

医療提供の場が広がるということは、

そこで働く人も必要となってきます。

そもそも医療従事者不足でしたから、

これまた早急になんとかしないといけませんね。

 

そこで看護師に対しては人材確保促進法が作られました。

資格があるのに現在働いていない人を、

積極的に発掘・採用していく仕組みを作ったのです。

地域にあるナースセンターは、

この人材確保促進法で作られた制度ですよ。

 

2つ目の「脱・入院隔離」。

地域の重要性と、ノーマライゼーションが注目されるところです。

家に帰そうにも、「家族」の変化で調整が難しくなってきましたから…。

退院後の受け皿を「家族」から「地域」に広げて考えていくことにしたのです。

 

対象を広げたため、かかわりを持つ必要性・可能性のある人が増えました。

医療機関内にいるときもそうでしたが、

はるかに「他職種連携の必要性」が拡大したのです。

 

地域の療養について支援を行う地域包括支援センター。

訪問看護を行う基盤となる訪問看護ステーション。

退院者の介入必要性に応じた医療チーム作り。

一定期間ごとに状態評価や確認を行うためのミーティングなど、

調整対象・内容が増えたことが分かりますね。

 

しかもこれらの調整は多くの人にわたるもので、

かつ、利用する人は増えていくことになります。

やっぱり、人材確保の重要性は変わりませんね。

 

さらに「障害のある人も社会で生きていけるように」する

ノーマライゼーションのためには、

3つ目の金銭の回復が欠かせなくなるのです。

 

次回、「金銭の回復」のおはなしに入りましょう。