4 皮膚・粘膜のおはなし(1)

皮膚と粘膜のおはなしをはじめましょう。

まずは正常な皮膚と粘膜のおはなしから。

 

皮膚も粘膜も、体の表面を覆う上皮組織であることは一緒。

皮膚は体の外側担当、粘膜は(原則として)体の内側担当ですね。

担当場所が違うだけで、基本構造は一緒。

どちらも3層構造で出来ています。

皮膚なら外側から表皮・真皮・皮下組織。

粘膜なら粘膜上皮・粘膜固有層・筋板ですね。

大体の役割分担も同じ。

一番上にある表皮や粘膜上皮は

「そこに求められている役割」を果たすための構造。

真ん中の真皮や粘膜固有層は血管やコラーゲンに富み、

弾力を保っているところ。

一番下の皮下組織や筋板は、

上皮組織と他の組織(主に筋肉)とのつなぎ目です。

 

と、いうことは。

皮膚と粘膜の大きな違いは一番外側の

「求められている役割を果たすため」の部分ですね。

皮膚の役割は外界からの防御。

粘膜の役割は分泌や吸収。

だから皮膚の表面には角質層があって、

細菌等が入ってこないように物理防御壁を作ります。

後でおはなしする化学的防御もありますから、

防いだ細菌等がそこで増殖することもありません。

粘膜でも刺激が多いところは皮膚と同じように

扁平上皮をたくさん重ねてすぐに代わりを準備できるように。

栄養を吸収するところは

少しでも表面積を広げるために絨毛を作っているのですね。

 

さて、ここで問題。

唇はどちらでしょう?

 

いきなりこんなこと聞かれても分かりませんよね。

だから先にヒント。

皮膚は、毛が生えていて、汗が出ます。

日よけの役目を果たすメラニン色素を作ることもできます。

粘膜は、表面を湿らせるために粘液を分泌しています。

さて、これならどうですか?

 

…唇には毛は生えないし、汗も出ない。

メラニン色素もないから、皮膚じゃない。

…唇には粘液はない。

…あ、あれ?

どちらにも当てはまらない?!

 

はい、正解。

唇は、皮膚と粘膜の中間地点。

粘液がないから、粘膜と比べてすぐに乾いてしまいます。

真夏や真冬に乾燥してかさつくのはこのためです。

しかもメラニン色素もないので、

日よけの傘をさすこともできません。

だから山や海で日焼けすると唇がガサガサになるのです。

…でも皮膚のように角質層が分厚くありませんから、

角質の繊維の硬さが少ないせいでやわらかく、

真皮の血管の多い色が透けて赤みがかって見えるのです。

 

皮膚と粘膜の基本、分かりましたね。

次回は粘膜の「困った!」例として、アフタのおはなしです。