1 解剖生理学を勉強する理由(2)

2018年7月7日

前回の質問「ヒトは、どうすれば生きていけるでしょうか?」

質問の仕方を変えると、

「ヒトは、どうなったら死んでしまいますか(生きていけませんか)?」

でもありましたね。

 

出てきた答えは、解剖生理学の各分野に対応しています。

「心臓が止まったら死んじゃうよ!」は、循環器系

「呼吸が止まったら死んじゃうよ!」は、呼吸器系

「食べ物がなくなったら死んじゃうよ!」は、消化器系

「眠れなくても死んじゃうって聞いたことある!」は、

神経系と内分泌系に関係しています。

 

そもそも、器官・器官系って何なのか。

それは細胞の役割分担のたまものです。

 

始まりは、ヒトは多細胞生物であること。

単細胞生物だったら、役割分担の話は出てきません。

1個の細胞で、全部をこなして終わりです。

多細胞である以上、

たくさんある細胞がみんな同じことをしていては長所をいかせません。

役割分担をして、その役割にあった細胞の形をして集まったもの。

それが「組織」ですね。

 

組織の例としては、上皮組織・筋組織・神経組織・結合組織があります。

上皮組織は皮膚や粘膜のように、表面を覆うもの。

筋組織は筋肉細胞が集まって、収縮(運動)するためのもの。

神経組織は神経細胞が集まって、情報を受けとり、伝え、判断命令するためのもの。

ここには神経細胞とグリア細胞が含まれます。

グリア細胞は神経細胞が働くために必要な「お手伝いさん」だと思ってください。

神経組織は「中枢」と呼ばれることも多いですね。

中枢というのは、判断・命令をする細胞がたくさん集まっているところの呼び名です。

結合組織は骨や膜などのように、体を支え、間を埋めるためのものですよ。

 

 

組織が集まって、一定の働きを担うようになったものが器官です。

例えば、心臓。

血液を送り出すポンプとしての役割がありますから、当然筋組織は必要です。

でもそれだけでは機能を果たすことはできませんね。

滑らかに動き、逆流を防ぐための弁になってくれる「覆うもの(上皮組織)」が必要です。

自律性があるとはいえ、命令伝達の神経組織も必要です。

心臓が動いているうちにずれていってしまわないように、

結合組織もあった方がいいですね。

このように心臓の機能(一定の働き)を果たすために組織が集まったものが、器官です。

 

器官系というのは、器官が役目を果たせるように機能的に集まったもの。

心臓は血液を送り出すポンプの役目ですが、

ポンプだけでは血液は全身を巡れません。

流れる「血液」と、流れる場所「血管」も必要ですね。

だから「循環器系」には心臓・血管・血液がふくまれます。

これでようやく前回の問いと器官系の話がつながってくることになります。

 

組織・器官・器官系について分かりましたね。

次回は最初の質問の答えをまとめて、

「なぜ解剖生理学を勉強するのか」というイントロダクションを終わりにしますよ。