5 脳神経系と内分泌系のおはなし(1)

今回からは「指揮命令」ブロックのおはなしです。

多細胞生物のメリットは分業…ということで、

今まで呼吸器系、循環器系、消化器系(+泌尿器系)とおはなししてきました。

でも、これらがちゃんと働けるのは指揮命令をしてくれるところがあるから。

呼吸ができるのは、呼吸中枢があったから…でしたよね。

もちろん、中枢から呼吸筋に命令が届く必要もあります。

だから、今までのおはなしの根っこでは、

必ず「脳神経系と内分泌系」が働いていてくれたのです。

 

一応、前半は脳神経系、後半が内分泌系の予定です。

あまりに範囲として広いので、途中で別の話題が入ってくる可能性はありますからね。

 

さて、前半。

脳神経系のおはなしです。

 

脳神経系のおはなしを始めると、「中枢」という言葉が出てきます。

中枢というのは、神経細胞がたくさん集まって情報を判断しているところ。

具体的には「脳」や「脊髄」をイメージしてください。

ヒトのように中枢があるのが「中枢神経系」、

イソギンチャクのように神経細胞がその辺に散らばっているのは「散在神経系」ですよ。

 

では、「神経細胞」とは何か。

いつもおなじみ、核と細胞膜と細胞質のある「細胞」ですが、

「情報を伝える、判断する」に特化した形をしています。

太陽マークのような細胞体、チューブのように伸びた軸索、

他の細胞に情報を伝えるための軸索末端があります。

 

細胞体は、核のある部分。

他の細胞から情報を受け取るための樹状突起があります。

軸索は情報が伝わるコードのような部分。

細胞の中は、情報が電気で伝わります。

電気は、周りを覆っていない状態だと周りに逃げていってしまいます。

これでは周囲が感電してしまうし、情報は減ってしまうしでいいことがありません。

だから電気が外に漏れないように電気を通さないものでくるんであります。

この「くるんでいるもの」が「髄鞘(ずいしょう)」

ミエリンともいいます。

髄鞘があるおかげで、情報は漏れることなく伝わります。

周囲の細胞は感電しません。

しかも髄鞘があると跳躍伝導ができます。

跳躍伝導は、髄鞘の継ぎ目の部分だけを高スピードで伝わっていくもの。

電車の鈍行(各駅停車)に対して、急行(快速)に乗ったようなものです。

情報は減らず、周囲は安全、しかも高速情報伝達!

いいことだらけの髄鞘がある神経細胞は、「有髄神経」と呼びますね。

 

この髄鞘を作っているのはグリア細胞。

神経細胞ではありません。

でも、先程確認したように神経細胞のお役目にとって必要な細胞なので、

脳細胞の半分以上はグリア細胞で占められています。

グリア細胞のお仕事は神経細胞のご飯(栄養因子)作り、

脳に細菌などが入り込まないようなバリアー(血液脳関門)作り、

そして髄鞘作り。

脳神経系がちゃんと働くためには、グリア細胞の援護が必要不可欠ですよ!