2 皮膚(2)皮膚の細胞に必要なもの

メラニン色素は皮膚表皮の一番下(真皮との境界付近)にある、

雨を防ぐ傘のようなもの。

ビタミンDを合成するために必要な紫外線が当たっているなら、

メラニンの傘は開きません。

 

それ以上の強い紫外線が皮膚にあたったときに、

メラニンの傘が開いて、

それより奥の皮膚の細胞(真皮や皮下組織)に

紫外線が届かないようにするのです。

顔に限らず全身の皮膚がメラニンの傘を開いたものが「日焼け」ですね。

だから「日焼けができた!」ということは、

そこより奥の細胞は紫外線から守られたということ。

ついついメラニン色素と聞くと、

多くの人は「顔のシミ!」をイメージしてしまい、厄介者扱いされがち。

だけどメラニン色素の役割を考えたら、

厄介者どころか

「守ってくれてありがとう!」を言わなくちゃいけませんね。

 

ここで、人工的に紫外線を遮ってくれる

日焼け止めのおはなしをしておきましょう。

日焼けで一番怖いのは、

日光を浴びた後に水ぶくれ(水疱)ができてしまうサンバーン。

「日焼け」なんて生易しいものではない、

もはや「火傷(第2度)」です。

そこまで怖くはないけれど、赤くなってから黒くなるのがサンタン。

子どもが夏に遊んで真っ黒になるのが、サンタンですね。

 

この2種類の日焼けを起こす原因は、違う種類の紫外線です。

目で見える光(可視光線)の

紫の外側にある光が「紫外線(UV)」で、

紫外線にはUVA、UVB、UVCの3種類があります。

細胞(生物)に最も影響が大きいのはUVC。

これは地球の外側にあるオゾン層でブロックされてしまいます。

だから「オゾン層を守ろう!」と、

それまでスプレーに使われていたフロンガスの使用が禁止になりましたね。

だから、地表まで届く紫外線はUVAとUVBの2種類。

UVAが黒くなるサンタンの原因、

UVBが水ぶくれになるサンバーンの原因です。

 

ここで日焼け止めの成分を確認してみると…

「SPF」や「PA」という文字が見えます。

SPFはUVBを、PAはUVAをブロックする値を示しています。

「ブロック」と書きましたが、紫外線から皮膚を守る具体的方法は

「光を散乱させる」か「光を吸収する」です。

 

光を散乱させる小さな粒状のもので、

光が皮膚の細胞に入り込まないように(悪さをしないように)

表面で光を散乱させる(光を散らす)方法が1つ目。

光を吸収する小さな粒状のもので、

光を熱に変えてしまう

(そのまま蓄えないで空気へと逃がしてしまう)のが2つ目です。

特に2つ目はうまく量を調節しないと、

皮膚の表面が熱くなってしまうかもしれません。

しかもこれらには

「ビタミンDを作るために必要な量の紫外線まで散乱・吸収しない」

機能もありません。

どうしてもメラニンと比べると残念なことになってしまうのです。

 

とはいえ、メラニンが反応するまでに時間がかかるのは事実。

メラニン反応までの急な紫外線侵入には、

日焼け止めの優位性があるのですね。