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2 皮膚(3)皮膚に必要なもの

皮脂の働きが分かって、重要なんだと理解はしても…

「だって…皮脂は嫌なもの…」と

思ってしまう人はいることでしょう。

出すぎると皮膚が脂ぎってくることは確かに事実。

せっかくきれいにできたお化粧を崩してしまうことも事実です。

 

なぜお化粧が皮脂で崩れるのかというと、

お化粧に使うものの多くが

水に溶けずに油に溶けるもの(脂溶性)を主材料にしているから。

水に溶けるものを主材料にしたら、

食事や涙、雨に濡れるだけでお化粧が崩れてしまいます。

日本の気候では、

半日経たずにお化粧の意味がなくなってしまうかも!

だからせめてお風呂に入って顔を洗うまでは勝手に崩れないように、

油に溶けるものを主材料にしているのですが…。

皮脂は、油ですね。

皮脂が出ると、皮脂に触れたお化粧は溶ける(崩れる)ことに。

だから「あぶら取り紙」等で皮脂を吸い取って、

お化粧崩れを防ぐのです。

 

だけど注意。

皮脂が吸い取られるということは、

水分を守る膜もできないことになります。

お化粧をしたなら、素肌のとき以上に保湿を意識しないと

防壁を維持できず、痛みやかゆみが出てくることになります。

長時間のお化粧は、

皮膚の乾燥のもとになることを忘れないでくださいね。

 

当然のことですが…

お化粧は崩れているか否かにかかわらず

毎日ちゃんと落とさないといけません。

どんなに見た目はきれいでも、

皮膚にとっては「異物!」「油の多いもの!」、

もっと言うなら「汚れ!」でしかありません。

皮膚をきれいに保つ

(「皮膚の清潔」)のおはなしに入ることにしましょう。

 

皮膚をきれいに保つために、ヒトは入浴し、顔を洗います。

こすることによる物理的刺激と水の流れによって、

皮膚表面でブロックされた異物と水に溶ける汚れは落ちていきます。

でも、ただ水で流すだけでは表面の油汚れは落ちません。

そこで使うのがセッケン(各種の洗剤)です。