数字なんか怖くない!:比例の基本(1)
今回からは比例についてのおはなし。
最終的には、看護師国家試験に出てくる
「酸素ボンベ計算」「点滴計算」を解けるようになりましょう。
今回は基本から。
比(比例)とは何だろう、からです。
まずは具体例で考えていきましょう。
10個のボールがありました。
これを2人で分けるとします。
5個ずつに分けたとき、2人がそれぞれ持っている個数はいくつですか?
5個と、5個だよね。
はい、そうですね。
では「全体のうちのいくつ」で表現するとどうなりますか?
10個のうちの5個と、10個のうちの5個…
難しくないけど、なんだか書くの面倒だなぁ。
5/10と5/10でいい?
はい、オーケーです。
約分できるので、1/2と1/2でもいいですね。
これ、どちらも同じ割合を表していますよね。
これを「1:1」と示すのが、比(比例)の考え方です。
「全体のうちのいくつかをあらわす形の1つ」が比(比例)ですね。
全体のうちのいくつか…?
分数や、割合と同じことなの?
そうです。
そこが分かってくれれば話は早い。
先程のボールの例は10個でしたが、
100個にしても同じように考えることができます。
50個と50個…50/100と50/100で、約分して1/2と1/2です。
結果としては「持っている数の比は1:1」で同じですよ。
ではちょっと聞き方を変えて。
AさんとBさんは1:2の割合で筆記具を持っている。
2人の持っている筆記具が6本のとき、
Bさんは何本筆記具を持っているでしょうか?
このとき、筆記具全体の数は6本。
割合を考えるときの全体は?
1:2で持っているから…3?
はい、そうですね。
「 : 」という比の形をとっているとき、
比の(数字の)合計が、割合を考えるときの全体の数になります。
Aさんは1/3、Bさんは2/3を持っていて、
全体の筆記具本数は6本。
それぞれに6をかけると、
Aさんは2本、Bさんは4本持っていますね。
割合も、本数も問題なさそうです。
最初のボール10個も同じように考えると…
2人で、5個ずつは比で表すと1:1ですね。
比の全体は1+1=2。
ここに全体の数10をかけると、5個と5個。
問題ないですね。
なんでわざわざ簡単なことを難しく確認するの?
「簡単」なうちはいいのですが。
一見して分からなくなってきたときに、
この計算方法は役に立ちます。
『「 : 」という比の形をとっているとき、
比の(数字の)合計が、割合を考えるときの全体の数になる』
今回はここを覚えてくださいね。