数字なんか怖くない!:点滴計算のおはなし(5)
点滴計算の最後は残量計算です。
難しくはありませんよ。
輸液パックの最初の量と、体内に入った液量が分かれば
あとはその差を出すだけです。
「500㎖の輸液を、午前10時から1分あたり5/6㎖で開始した。
3時間たったとき、残液量は何㎖か」を解いてみましょう。
よーし、解いてみるぞ!
3時間は60分×3=180分。
1分あたり5/6㎖だから、
3時間で体の中に入った液量は…
5/6(㎖/分)×180分=5×30(㎖)=150(㎖)
最初の輸液量は500㎖だったから、
500㎖-150㎖=350㎖ これでどうだ!
はい、よくできました。
解き方としては
「①どれくらい体内に入ったかを計算する」
「②最初の液量から体内に入った量を引く」ですね。
じゃあ応用。
「600㎖の点滴を、
成人用輸液セット1分あたり30滴でセットして1時間たった。
①今、点滴の残量は何㎖か。
点滴は終わったらすぐに次の輸液を始めるものとする。
②次の輸液は何分後に始めることになるか」を解きましょう。
1時間たった「今」の残量計算だね。
成人用は20滴で1㎖だから、30滴/分なら
1分間に体に入る液量は1/20(㎖/滴)×30(滴/分)。
1時間=60分だから、今までに入った液量は
1/20(㎖/滴)×30(滴/分)×60(分)=30×3㎖=90㎖
最初の液量600㎖から体に入った液量を引くと
残量=600㎖ー90㎖=510㎖
これが①の答えだね。
②は…①で出した残量をもとに、「何分」とおけばいいんだ!
1/20(㎖/滴)×30(滴/分)×何分=510(㎖)
3/2(㎖)×何分=510(㎖)
…ええと、2/3をかければすっきりしそうだから…。
3/2(㎖)×何分×2/3=510(㎖)×2/3
何分=510×2/3 …510は、3×170だから…!
何分=170×2=340
②は340分後、だね!
検算は…1時間(60分)と340分で、
600㎖が体の中に入ったかを計算すればできそうだ!
1/20(㎖/滴)×30(滴/分)×(60+340)(分)
=3/2×400(㎖)
=3×200(㎖)
=600(㎖)
うん!体の中に全部(600㎖)入った!
大変よくできました。
もう点滴計算は怖くありませんね。
落ち着いて単位をつけながら、
「今は何を計算しているのかな」を確認して計算です。
最初と計算前、そして最後に問題文を読むことも
忘れないでくださいね。