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8 各論3:体温(消化器系):肝胆膵(3)肝臓・代謝異常(4:糖尿病2)

2023年2月22日

運動療法と食事療法に加えて

経口剤(飲み薬)でもうまく血糖コントロールができないなら。

そのときはインシュリン注射の出番です。

約1割のインシュリン依存型(IDDM)や、

重篤な状態にある人では最初からインシュリン注射ですね。

 

「インシュリン注射」といっても、

たくさんの種類があります。

効き出すまでの時間と持続時間で、大まかに分けられますよ。

10~20分前後で効き出して3~5時間効く「超即効型」。

30分~1時間で効き出して7時間前後効く「即効型」。

1時間前後で効き出してほぼ24時間効く「中間型」。

他にも1~2時間で効き出してほぼ24時間効くけど

血中濃度にピークがない「持効型溶解インスリン」や、

30分ぐらいで効き出して

24時間ぐらい効く「混合型」もあります。

細かい区分を覚えるのではなくて、

「効果が出るまでと持続時間にはいろいろある」ことが

分かってくれればオーケーですよ。

 

インシュリン注射で大事なことは、

患者さんが自分で適切に注射できるようになる

(薬品管理を含む)「患者教育」と、低血糖対策です。

禁忌のところに「低血糖症状」ともありますから、

ちゃんと確認していきましょう。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00058366

低血糖対策は患者教育の一部でもあります。

 

血糖値が下がるということは、

血液中のグルコースが減るということ。

最終的には「細胞がグルコースを必要としたときに、

グルコースを取り込めない」ということにつながります。

全身をコントロールしている脳がグルコース不足になったとき、

最初は脱力感、めまい、頭痛、倦怠感が出てきます。

放置していると、冷や汗、動悸といった自律神経症状や

不安、興奮といった精神症状も出てきます。

この先は、けいれん、意識障害や昏睡です。

 

こんなことになったら大変ですね。

だからヒトの体はケトン体を脳の非常食としていますが、

薬(特にインシュリン注射)で、

急に血糖値が下がったときには間に合いません。

 

そんなときにはグルコース(ブドウ糖)タブレット。

常備して、最初の軽度症状のうちに口にして一休み。

15分経ってもよくならないなら、もう1つ追加です。

市販品は必要量より少なめ

(本来必要なのは5~15g、市販のタブレットは2~3gが多い)

なので、医療用を準備しておくこと。

 

本当に「もしも!」の緊急時には

ジュースやキャンディーも使えます。

だけど近日は甘味にグルコース以外のものを使ったものが多いので、

一度ちゃんと確認しておいてくださいね。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20230222更新)