数字なんか怖くない!(2)単位の接頭語のおはなし
「○○1000mg配合!」と聞くと
「うわっ!いっぱい含まれてる、効きそう…」
こんな気分になってついつい買ってしまう人はいませんか?
今回は単位の接頭語についてのおはなしです。
単位の接頭語…と身構える必要はまったくありません。
普段、そうと知らずに使っているものばかりです。
まず、大きくなる単位から。「10倍」はデカ(da)。
陸上の十種競技(デカスロン)の、デカです。
「100倍」がヘクト(h)。
天気の「ヘクトパスカル」は、パスカル(P)という単位の100倍です。
(100P=1hP ということですね)
「1,000倍」がキロ(k)。
ご存知、グラム(g)の1,000倍が、キログラム(kg)です。
(1,000g=1kg ですよね)
「1,000,000倍」はメガ(M)。
銀行の「メガバンク」というのは、「大規模な銀行」ですね。
「1,000,000,000倍」はギガ(G)。
通信会社の「ギガ割」は、「すっごく割り引いてるぞ」という意味のはずです。
「1,000,000,000,000倍」はテラ(T)。
「テラワロス」というのは…
きっと、数えるのが面倒になるくらい、
すっごくいっぱい笑っているのでしょう、多分。
お次は小さくなる単位。1/10はデシ(d)。
小学校で習ったデシリットル(㎗)は1/10リットルでした。
1/100はセンチ(c)。
定規でおなじみ、センチメートル(㎝)は1/100mですね。
1/1,000はミリ(m)。
これまた定規でおなじみのミリメートル(㎜)ですね。
1ミリメートル(㎜)は1/1,000mです。
1/1,000,000はマイクロ(μ)。
生物(や理科)の顕微鏡は、マイクロメートルまで見えるはずです。
1マイクロメートル(μm)は、1/1,000,000mですよ。
1/1,000,000,000はナノ(n)。
ごく小さなブロックはナノブロックと言いますよね。
1/1,000,000,000,000はピコ(p)。
さすがに、この単位を使っている日常用語はなさそうです。
大きい接頭語も小さい接頭語も、だんだん読みにくくなっていきますよね。
「いち、じゅう、ひゃく…ああ、めんどくさい!」
それこそが、接頭語を使う理由です。
あと、単位の接頭語を使えば書き間違い・聞き間違いも減らせます。
おそらく、今回の内容を耳だけで聞いていると途中で頭がこんがらがります。
でも、文字(しかも単位の接頭語を使えば)ならまだ理解可能なはずです。
そこで冒頭に戻って。
「1000㎎配合」とありましたが、これ、単位の接頭語で直せますよね。
はい、「1g配合」です。
この両者を見比べて、文字からどんな印象を受けますか?
「1000」はたくさんあるように感じて、
「1」 は少ないような気がしますよね。
それこそが数字のわな。
単位接頭語を使わず分かりにくくすることで、
わざと大きく(小さく)見せているのが広告(コマーシャル)の常套手段です。
皆さんはそれにごまかされないように、正しく単位接頭語を理解してくださいね。