4 行政・制度:(2)健康保険制度で見えてきた欠点[補足8]

2019年11月20日

「社会」の変化を受けて、

最小単位の社会「家族」が変化しました。

特に変化を受けたのが、「子ども」と「高齢者」。

そしてノーマライゼーションの流れを受けた「障害者」です。

ここではこれらを「守る(護る)」ための法制度を簡単におはなしします。

まずは、児童(子ども)についてです。

 

児童(満18歳にみたないもの)については、

1947年に児童福祉法が定められました。

ここには都道府県に児童相談所の設置義務があって、

保育士が保育と保育指導を行うことも定められています。

 

児童福祉法が主に注目していたのは養育里親と

療育指導給付や障害児の入所療育。

「育ててくれる里親とマッチングさせる」、

「病気や障害をもって生まれてきた児童とその養育者をフォロー」。

それがこの法律の出発点だったのです。

まだ「家族」の中に「児童」を見る目が十分にあったころのおはなしです。

 

社会は変わり、家族の構成員は減り…みんな忙しくなりました。

経済環境変化も追加され、各種の余裕がなくなり、

児童虐待が明るみに出てきたのは1990年代のころです。

 

もっと積極的に・明確に児童を守る必要が生まれ、

できた法律が児童虐待防止法(2000年)です。

 

「何人も児童に対し虐待をしてはならない」と明文化されました。

虐待の内容は、殴る蹴るといった身体的なものに限られません。

性的虐待、心理的虐待、ネグレクトも立派な虐待です。

 

そして虐待を発見したら、速やかに、

「市町村や、都道府県の設置する福祉事務所や、児童相談所」に

報告しなければなりません。

児童福祉法の定める児童委員を経由して報告してもオーケーですよ。

 

あとは虐待防止を責務としている

国や地方公共団体(実際は主に児童相談所長)のお仕事。

例えば児童相談所長は、

虐待の可能性のある児童を「一時保護」することができます。

それが2か月を超えたり、親(親権者)の意に反したりするときには、

家庭裁判所の承認が必要になってきますよ。

 

市町村長や福祉事務所の長は、

児童相談所に「こんな知らせがあったよ!」と情報を送ることもできますが、

虐待を受けた可能性のある児童を一時保護した後に

都道府県知事や児童相談所長に情報を送ることも可能です。

 

都道府県知事は(場合によっては警察署長に援助要請を出して)

虐待された児童が隠されていないか立ち入ることもできます。

ただ、住んでいるところ(住所)に立ち入るときには

事前に裁判所(家庭・地方・簡易)の許可状が必要ですね。

 

「虐待?!早く児童を保護してあげなくちゃ!

でも勘違いだと児童が養育者のもとで育つ権利が害されちゃうから、

第三者の裁判所が判断するからね!」という流れを理解しましょう。

 

虐待の早期発見は、普段から児童を見ている人に意識してもらいたいところ。

学校や病院、児童福祉施設の職員等は

「虐待の早期発見に努める者」と定められていますよ。

 

このように各種定めを設けて、不幸にも虐待が起こってしまったら、

すぐに児童を守れるように法律・制度上は準備しているはずなのですが。

残念ながら、各組織の連携が不十分なまま…というのが現状です。

 

次回は、障害者を守る法制度のおはなしです。