3 総論:侵入経路(2)水系感染・経口感染

飲食物からヒトの体内に異物が入ることもあります。

特に「水」で感染が広がるものを「水系感染」と呼びますね。

ヒトや動物の糞便中に含まれる微生物が水(特に飲用水)に入り込むと、

ヒトの体内に入り込みやすくなります。

「普段いるところから出たら悪さをするもの」のところで、

大腸菌のおはなしをしましたから、イメージできますね。

日本では、

上下水道整備で感染症が減ったことは(補足:寄生虫)おはなしした通り。

寄生虫のみならず、微生物全般の水系感染が大幅に減りましたよ。

海外旅行ではまだ「生水に注意!」ですからね。

 

注意しておいてほしいこと。

上水道は消毒に塩素を使っています。

クリプトスポリジウム(原虫)は塩素に強く、

一度上水道に入り込むと大変なことになりますよ。

 

水に限らず、ヒトの口に入るものから異物が侵入するのが経口感染。

イメージしやすいのは牡蠣にいるノロウイルスです。

上下水道のような公衆衛生とは無関係に微生物がいることはありますが…。

水に微生物がいたら、

そこにいる生物(動物でも、植物でも)には

かなりの確率で微生物が入り込んでいるはず。

「海外旅行では生野菜、生の魚介や生肉にも注意!」でしたよね。

肝炎ウイルスのA型とE型が経口感染であることを覚えておくと、

後で役に立ちますよ。

 

あと、生物で勉強した「食物連鎖」も思い出してみてください。

動物が食べたものに微生物がいたら…

その動物を食べると、ヒトの体の中に入ってきてしまいますね。

例えば胃痛を引き起こすアニサキス(寄生虫)。

海中のオキアミとサバやイカ等を中間宿主として、

クジラやイルカ(海生哺乳類)の消化管に寄生する寄生虫です。

間違って(?)人の中に入ってしまうと、

胃や腸管に入り込んで激しい痛みを引き起こすアニサキス症になります。