数字なんか怖くない!(6)分数の四則演算のおはなし
前回の応用編。
分数の四則演算についてのおはなしです。
加算と減算をするときには、分母(下)をそろえないといけません。
分数は「全体のうちのいくつか」でした。
「全体」自体がずれてしまったら、前提が崩れてしまいます。
どんなことになるか、具体例で確認しましょう。
1/2+1/10の計算で、分母をそろえないで足し算をしたらどうなるか。
分母どうしを足すと2+10=12です。
分子どうしを足すと1+1=2です。
出てきたのは2/12…これ、約分すると1/6ですね。
ここで1/6を小数にしてみると0.166…となって割り切れません。
何より大事なことは、足し算をしたはずなのに
1/2(=0.5)より小さい数にってしまっていることです。
だから、そのまま加算をしてはいけないのです。
1/2+1/10は、1/2の上下に5をかけて5/10にしてから計算!
もちろん、分子は足しますが分母まで足してはいけませんよ。
「全体」となる基準量を変えてはいけません。
1/2+1/10=5/10+1/10=6/10。約分すれば3/5です。
これなら、ちゃんと足す前の1/2(=0.5)より大きい数ですね。
同様に、減算も「分母をそろえて」「分子だけ引いて」計算してくださいね。
では、乗算と除算はどうでしょう。
こちらは、整数を乗ずる(整数で除す)ならいつも通りです。
「1/3 ×6」は「1/3が6個あるといくつですか」という意味なので、
1/3 ×6=(1×6)/3=2 ですね。
また「1/5 ÷2」は
「1/5を2つに分けたうちの1つはいくらですか」という意味ですから、
1/5 ÷2=1/(5×2)=1/10 です。
普段の掛け算(上にかける)・割り算(下にかける)と同じでしたね。
分数どうしだとどうなるか。
掛け算は先程の割り算と同じ考え方です。
「1/5×1/2」は
「1/5を2つに分ける(1/2にする)と分けた後はいくつですか」の意味。
先程の1/5 ÷2と聞いていることが一緒です。
だから1/5 ×1/2=(1×1)/(5×2)=1/10 です。
上どうしで乗算、下どうしで乗算。
簡単ですね。
では、問題の除算。
これは「上下に同じ数をかけてもいい」を使ってみましょう。
(1/5)÷(1/2)は、強引に分数の形にすると
1/5
1/2 になりますね。
ここで、上下に10をかけてみましょう。
1/5 ×10 = 2
1/2 ×10 5 はい、できました。
これって、「割る方(1/2)を上下ひっくり返して乗算」と同じですね
だから「分数の除算は分数の上下をひっくり返してかける」と
本に書いてあるのです。
念のため確認しましょう。
(1/5)÷(1/2)=(1/5)×(2/1)=(1×2)/(5×1)=2/5
オッケーですね。
このような計算を自由にできるようになると、
分数の方が小数より早く計算できる可能性が増えてきます。
何回も練習して、得意になってしまいましょうね。