14 尿と腎臓のおはなし(1)

あれ?pHのおはなしはもうおしまい?

ある意味おしまいで、ある意味まだ続いています。

pHが主役ではありませんが、

pHに深くかかわる器官「腎臓」がメインのおはなしです。

 

解剖生理学の勉強がうまく進んでいれば、

わざわざ生化学で腎臓をメインに据える必要はないかもしれませんが。

油断すると、大事なところが分からないまま丸暗記の危険地帯です。

基本を押さえつつ、

看護師国家試験に出るところをおはなししていきますよ。

 

腎臓の位置はいいですね。

ちょうど「腰が痛い…」というときに叩くあそこです。

背中側からアプローチした方が近い「後腹膜臓器」の1つでした。

「11 ホルモン」のところで膵臓・十二指腸・副腎と一緒でしたよね。

左右に1つずつある、そら豆の形をした器官です。

 

この腎臓、体の中で特別待遇を受けています。

大動脈・大静脈から直行便が出ているのです。

腎動脈・腎静脈が腎臓に出ている直行便。

体の中の合成・分解工場の肝臓でさえ、直行便は存在しません。

そこまでして、腎臓に血液をたくさん送る必要があるのです。

そんな腎臓の働きは「血液から尿を作ること」

言い方を変えれば、

「血液中のいらないもの(老廃物等)を体の外に捨てること」です。

 

血液から尿を作るときに大事なキーワードがあります。

「ろ過」「再吸収」「分泌」です。

それぞれの言葉の意味は、

血液からいらないもの等をこしとるのが、ろ過

必要なものは血液の中に戻すことが、再吸収

血液中の特に捨てたいものを重点的に捨てることが、分泌です。

キーワードが分かったところで、

腎臓の中をもう少し見ていきましょう。

 

「ろ過」をするのは糸球体とボーマン嚢の担当です。

糸球体は毛細血管ですが、その血管壁細胞間に隙間があります。

隙間から出てきたものを受け止めるところがボーマン嚢。

糸球体がざるで、

ボーマン嚢はざるから出てきたものを受け止めるボウルだと思ってください。

ざるに残ったものは体にとって必要なもの。

具体的にはタンパク質や血球などですね。

そのまま血管の中を流れて、腎静脈経由で大動脈に戻っていきます。

ボーマン嚢に出てきた液体は「原尿」といいます。

「尿」ではないことに注意です。

この「ろ過」直後の原尿には、まだ体に必要なものが含まれています。

糖、アミノ酸、各種イオン…これらを捨てるなんてとんでもない!

しかも原尿は1日170~180ℓもできます。

これらをそのまま捨ててしまっては、ヒトは干からびてしまいます。

だから、「再吸収」が必要になるのです。

 

次回は再吸収のおはなしですよ。