14 尿と腎臓のおはなし(2)
「ろ過」を理解できたので、「再吸収」のおはなしです。
再吸収は、原尿に出てしまった体にとってまだ大切なものを
体の中(毛細血管)に取り入れることです。
再吸収の場所は尿細管。
「くだ(管)」を通しながら、
取り巻いている毛細血管に
糖やアミノ酸等を渡していきます。
小腸で食べものから栄養等を取り入れるのが
「(1回目の)吸収」ですから、
2回目の吸収にあたるので「再吸収」ですね。
…そもそも、最初から「いらないものだけ」を
ろ過すればいいんじゃないの?
そう思いますよね。
でも、イメージしてみてください。
いらないものだけをろ過しようとすると、
その「いらないもの」に応じた
ざるの目の粗さが必要になります。
しかも「いらないもの」が
一番小さいものとは限りません。
さらに「いらないもの」だけを通す
目の粗さ(細かいざるの目)にすると、
少しだけ大きいものが詰まってしまいます。
…体の中のざるは、交換できませんね。
このように何かとうまくいかないことだらけなので、
最初から「いらないものだけ」を
ろ過することはできないのです。
尿細管のおはなしに戻ります。
糸球体とボーマン嚢に近いほうを近位尿細管、
遠いほうは遠位尿細管と呼びます。
2つの尿細管の間をつなぐのが
ヘンレのループ(ヘンレ係蹄)です。
再吸収をする管は結構長いので、
途中で折り返すところがヘンレのループですね。
管を原尿が流れ、その間に必要なものを「再吸収」。
同時に、体の外に重点的に捨てたいものを「分泌」します。
遠位尿細管は集合管につながり、
腎う(腎盂)へとまとめられるころには「尿」の完成。
あとは膀胱にためておいて、体の外に出すだけです。
まとめておきましょう。
「ろ過」をするところは糸球体(毛細血管)とボーマン嚢。
この2つをまとめて「腎小体」と呼ぶこともあります。
尿細管は細かく分けると近位・遠位に分けられ、
近位と遠位の間はヘンレのループと呼ばれる
折り返し地点になっていました。
「腎小体」と尿細管(ヘンレのループを含む)をまとめて、
「腎単位(ネフロン)」と呼びます。
腎単位がたくさん集まったものが、腎臓です。
腎臓は皮質(外側)と髄質(内側)で色が違います。
皮質は腎小体(糸球体の毛細血管)の集まった部分。
髄質は尿細管の集まった部分です。
再吸収をコントロールしているのは、主に2つのホルモンです。
次回は尿に関係するホルモンの復習になりますね。
【今回の内容が関係するところ】(以下20220727更新)