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4 神経系と内分泌系:守るためには指揮命令(5)

今回は血糖値が下がりすぎたときのおはなしです。

運動をするには、ATPをたくさん必要とします。

細胞がどんどんATPを作るために、

どんどん血液中の糖を取り込んでいくと…

血糖値が「保ちたい一定範囲」を下回ります。

しかも食事がまだまだ先だ!

…こんなときには、また視床下部と膵臓のお仕事です。

 

視床下部は「血糖値下がっちゃってる!上げといて!」と

交感神経の直通電話で膵臓と副腎髄質にお願いします。

直通電話の名前が変わりましたよ。

とりあえず今は

「上げると下げるで、電話の名前が変わる!」ことを意識です。

直通電話を受けた膵臓は、

今度はグルカゴンというホルモンを出します。

グルカゴンは血糖値を上げるホルモンの1つ。

肝臓に貯めておいたグリコーゲンをグルコースにして流すようお願いします。

これなら、血糖値を上げることができますね。

膵臓は自分1人でも血糖値が下がってきたことを感じ取れるところは、

前回と同じです。

もう1つの直通電話を受け取ったところ、副腎髄質。

副腎髄質からはアドレナリンという

血糖値を上げるホルモンが出ます。

これも、肝臓に対するお願い内容は同じです。

グルカゴンとアドレナリンの命令をもとに、

肝臓はグリコーゲンをグルコースにして血液に流します。

これで、血糖値は一定範囲内に保たれます。

血中グルコース濃度の維持、一件落着です。

 

血糖値維持について、いくつか補足しておきますね。

 

まず「グルコースが細胞に取り込まれる」ところについて。

血液中にあるグルコースは、

号令がなくても必要最低限は細胞の中に入っていきます。

でも、あくまでも「必要最低限」だけ。

それ以上を取り込むためには、

膵臓から出るインシュリンが必要です。

インシュリンが体中の細胞に

「グルコース取り込んでー!」と号令をかけるから、

細胞内に血液中グルコースが取り込まれていくのです。

細胞内にグルコースが取り込まれるということは、

血液中のグルコースが減る(血糖値が下がる)こと。

血糖値を下げるホルモンは、インシュリンしかありません。

インシュリンの働きがおかしくなってしまうと、

細胞がグルコース不足で困ったことになってしまいます。

それが糖尿病につながっていくおはなしですね。

 

次回も補足の続きから。

補足が終わったら、神経のおはなしに入りますよ。