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13 各論7:ウイルス(1)DNAウイルス(4)

(B)サイトメガロウイルス

サイトメガロウイルスは、

感染後ヒトの体液・分泌液に広く排出されるウイルス。

しかも不顕性感染をするため、

従来日本人は70~90%の成人に抗体があるウイルスでした。

でも各種環境変化

(兄弟数減、子どもどうしのふれあい減など)を受けて、

近年は若年層を中心に

サイトメガロウイルス抗体保有率が減りつつあります。

 

サイトメガロウイルスは原則として悪さをしないウイルス。

でも免疫不全状態の人や妊婦の初感染時に

「例外」的に悪さをしてしまうと、

一気に恐ろしいウイルスになってしまいます。

免疫不全状態では、初感染・回帰発症共に脳や肝臓、網膜に炎症を起こし、

間質性肺炎の原因にもなります。

 

最も避けなくてはいけないのが妊婦の初感染。

TORCHの「C」は、サイトメガロウイルスのCです。

20~40%が経胎盤感染で胎児に移り、

さらにその一部が先天性サイトメガロウイルス感染症になってしまいます。

しかも先天性サイトメガロウイルス感染症は症状の幅がとても広く…

無症状で終わることもあれば、

肝脾腫や網脈絡膜炎(網膜剥離につながりうる)、

脳内石灰化や低出生体重等後々まで影響が残ることもあります。

「一見無症状で安心していたら、後から難聴が!」ということすらありえます。

 

よく報告されるパターンが、

「第一子を未感染で出産。

第二子妊娠中に、第一子が幼稚園等から感染して…」というもの。

抗ウイルス薬は効きますが、

いらぬ不安を抱かないためにも抗体検査はしっかりと。

そして手指衛生には十分注意してくださいね。

患児からの院内感染にも注意!

血液だけでなく、

だ液、涙、尿にもサイトメガロウイルスはいますからね。