6 燃焼熱:化学反応と酸化のおはなし(2)

前回確認した結論は、

「1モルのグルコースを完全に酸化させると、

水と二酸化炭素と熱が出る。

化学記号と矢印で表すと:

C₆H₁₂O₆+6O₂→6CO₂+6H₂O+(熱)」でした。

 

では、もう少し細かく見てみましょう。

この式だけ見ると、

グルコースと酸素さえあればいつでも水と二酸化炭素と熱を作れそうですが、

現実にはそうは行きません。

矢印の左から右に向かうために、加熱が必要です。

もちろん、混ぜただけで急に反応が進むものもありますよ。

でも一般的に、化学反応が進むためには加熱が必要です。

「使い捨てカイロはもむだけで温かくなるよ?」

使い捨てカイロは鉄の酸化反応(発熱反応)です。

でもカイロの袋の中に入っているのは、鉄だけではありません。

何が入っているのかは…次の章のおたのしみです。

 

話をもどして、なぜ化学反応が進むために加熱が必要なのか。

それは、粒同士が元気な状態にないと

他のものに変化しないからです。

相変化のところで、

粒の活動性と温度についておはなししました。

寒いから動きたくない固体、多少元気になった液体、

元気すぎて海外に脱出してしまった気体…でしたね。

寒いときに他の粒が近くに来ても、何もしたくありませんね。

海外脱出中に他の粒が近くに来たら、

知らない粒にでも気軽に話しかけられそうです。

粒に元気がないと、化学反応(粒の性質変化)は起きません。

粒を元気にするのは、温度(熱)なのです。

 

出てくる熱にも目を向けましょう。

結論の式では簡単に「熱」と書きました。

実際に出てくるのはエネルギーで、

その一番わかりやすい形が「熱」なのです。

そしてこれが細胞単位で見たときのATPであり、

ヒトレベルの体温になります。

「基礎代謝」という言葉を耳にしたことはありますか?

これ、ヒトが横たわっている(一番エネルギーを使わない状態)で、

一日に消費するエネルギーの最低量です。

成人男性が約1500kcal、成人女性が約1200kcal。

細胞の作ったエネルギーの半分以上は、

体温維持のために使われます。

「カロリー(cal)」に1000倍の意味の接頭語「キロ(k)」のついた

キロカロリー(kcal)という単位が出てきましたね。

いまは「エネルギー(熱量)の単位だ!」でいいですよ。

あとで、少し詳しくお話しますね。

 

次回は結論の式に熱の具体的な値を入れて、

「熱化学方程式」を完成させましょう!