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10 各論5:体温(感染・免疫):②細菌に効く薬(3)

2023年5月3日

静菌系抗生物質のテトラサイクリン系として

ミノサイクリン塩酸塩(ミノマイシン)を紹介します。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00067451

mRNA通りのアミノ酸を持ってきたか

チェックするところを邪魔しますね。

 

過敏症が禁忌。

慎重投与も肝臓・腎臓障害に高齢者、

食道狭窄で潰瘍危険と結構素直ですね。

腸内の有益細菌(善玉菌)に効いてしまって、

ビタミンK欠乏を起こし得ることも復習にいいくらいです。

 

でも、ミノサイクリン塩酸塩には

しっかり注目しないといけないところがあります。

「歯への着色」と「骨形成不全」です。

妊婦・産婦・授乳等への投与と小児への投与の欄です。

これらのせいで、薬を使える対象が限定されます。

 

しかも併用注意を見ると

ビタミンKと関係するワーファリンをはじめ、

腸内細菌菌叢変化のせいで

ジゴキシンの代謝や経口避妊薬の再吸収にも変化が!

適応菌種は広くて使いやすそうに見えるのに、

「使いにくさ」が目だってしまう薬です。

 

そこでもう1つの良く出会う抗生物質、

マクロライド系抗生物質のおはなしになるのです。

ここではエリスロマイシンステアリン酸塩(エリスロシン)と

クラリスロマイシン(クラリス)のご紹介。

スピラマイシンにも簡単に触れますね。

 

エリスロマイシンステアリン酸塩は

リボソームにくっついてタンパク質の合成を邪魔する薬。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00049486

効く細菌は多いし、禁忌も少ないですね。

禁忌は精神の薬ピモジドとエルゴタミン含有製剤、

抗ウイルス薬(抗HCV薬)のアスナプレビルです。

エルゴタミン含有製剤の一部は

片頭痛にも使われる薬なので注意ですよ。

 

でも併用注意が多いですね!

エリスロマイシンステアリン酸塩を代謝する肝臓の酵素が、

他の薬でも使われているタイプだからです。

多すぎて覚えられませんから、

エリスロマイシンステアリン酸塩を使うときに

他の薬を飲んでいたら添付文書を要確認です。

 

クラリスロマイシンも

リボソームにくっついてタンパク質合成を邪魔する薬。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00016704

さらに適用菌種が増えたの、分かりますか?

しかもピロリ菌にも効きますね。

ピロリ菌への使い方はちょっと特殊なので、

後でちゃんとおはなししますね。

効く菌は多いのですが…禁忌や併用注意は多いですよ。

次回はそこからおはなししましょう。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20230503更新)