1 切った!(切創):鼻血
なぜ切り傷のところで鼻血(鼻出血)が始まったのか。
それは、鼻血の多くは自分の指で傷をつけた
(血管を切った!)ことが原因だから。
特に小児では9割以上が自分で鼻をいじったせいです。
原因はさておき、まずは血を止めましょうか。
ちゃんとした止血は病院にお任せするとしても、
自宅等では鼻(小鼻あたり)を外側から押さえて、
あごを引いてください。
数分ほどで止まるのが普通です。
口の方に鼻血が流れ込んできたら、
飲み込まないで「べーっ」と吐き出してください。
これは、血を飲み込んでしまうと、
胃が刺激を感じて吐いてしまうこと(嘔吐)を防ぐため。
嘔吐時に瞬間的に血圧が上がり、
鼻血が再出血することを防止ですね。
かなり以前には
「鼻血が出たらあご上げてを頭をそらし、
首の後ろを軽くたたくと止まる」と言われていたころもありました。
これ、意味ありませんからね。
一般的な鼻血は、
鼻の入り口付近の中隔(中央にある壁)で起こります。
ここは毛細血管が多く、かつ、結構浅いところに多いため
ちょっとした刺激で出血しやすい場所です。
キーゼルバッハ部位(ティーゼルバッハ部位)といいます。
他のところでも鼻血は起こります。
顔面を強く打った等の外傷はじめ、
血液の異常(血小板異常)や
消化器系異常(腎不全・肝硬変)等が潜んでいることもあります。
頻繁な鼻血は、病院に行ったほうがいいですね。
出血自体は少量でも、
余りに長引くと貧血の危険も出てきます。
貧血は全身細胞の酸素不足。
軽く見てはいけない状態ですよ。
また、いくら指による外傷が多いとはいえ、
いつもそうだと決め打ちするのも問題です。
異物が詰まった、腫瘍ができた、
炎症を繰り返した等でも鼻血は出ます。
どこの、どんな原因による鼻血かは、
医者に行かないと判断できません。
応急手当で血を止めつつ、
ちゃんと病院で確認してくださいね。