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5 脳神経系と内分泌系のおはなし(4)

2022年9月23日

「見える」ために必要なもののおはなし。

網膜について説明しますね。

 

網膜はカメラでいうところのフィルムにあたるもの。

カメラのフィルムは記憶媒体ですが、

網膜は「画像を電気信号にするところ」です。

記憶をするのは、脳のお仕事ですね。

 

画像をどうやって電気信号にするのかというと、

網膜には明るさを感じる「桿体細胞」と、

色を感じる「錐体細胞」があります。

これらの細胞が瞬時に画像を電気信号に変え、

網膜につながっている視神経が脳へと情報を伝達しているのです。

 

桿体細胞はロドプシンと言いますが、

ロドプシンの材料はビタミンAです。

生化学「9 ビタミン・ミネラル」で、

ビタミンAのおはなしをしましたね。

あのとき「視覚に関係が深いよ~」と言っていたのは、

ここのおはなしです。

ビタミンAの欠乏症は夜盲症

暗くなると見えない…「鳥目」とも言われていた状態ですね。

ビタミンAが足りないので、桿体細胞も足りない。

桿体細胞が足りないので、

わずかな光では画像として感じ取ることができずに

「真っ暗…」と情報が伝わってしまうせいです。

普通の人なら、急に暗くなっても

徐々に目が慣れて見えるようになってきます。

夜盲症では光を感じ取るロドプシン不足ですから、

「徐々に目が慣れる」過程はありません。

 

錐体細胞は、3種類。

赤錐体細胞、青錐体細胞、緑錐体細胞の3つです。

この3種類で、フルカラーの画像を電気信号化しています。

…不思議な感じがしますか?

「光の3原色」が分かれば、ちゃんと理解できますよ。

赤と緑を混ぜると、黄色になります。

赤と青(濃い青)を混ぜると、紫になります。

青(濃い青)と緑を混ぜると、水色になります。

赤と緑と青(濃い青)を混ぜると、白になります。

これなら、3色でフルカラーに対応できますね。

 

普段使う絵の具や色鉛筆では、

同じ色を使っても再現できませんよ。

「光を重ねると明るくなる」ことを利用しないといけません。

再現したいなら、懐中電灯を使いましょう。

マーカーで電球面に色を塗る

(もしくはセロファンをかぶせる)ことで、

色のついた光を作りましょう。

それから3色を重ねれば、ちゃんと集まったところが白になります。

3色は準備できなくても、

2色を重ねて確認できれば確実に理解は進みますからね!

次回は、聴覚(聞く)のおはなしに入りますね。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20220923更新)