5 脳神経系と内分泌系のおはなし(22)

橋と延髄のおはなしです。

どちらも脳幹の一部

つまり「動物が生きるために不可欠!」ですね。

まずは橋(きょう)

「…なんで頭の中のこんなところに橋が?」と思いますよね。

中脳の下、小脳の横にある橋は、情報が多量に行きかうところ。

小脳に出入りする情報量が多いことは、

細胞量の多さと調節の繊細さからイメージできますね。

だから小脳に出入りする情報を運ぶ神経(の繊維部分)が

脳幹を乗り越える橋のように見える…ということで「橋」なのです。

 

単なる通過地点ではありませんよ。

脳神経の出発地点でもあります。

ここから出るのは第5脳神経(三叉神経)から第8脳神経(内耳神経)

第5脳神経(三叉神経)は、顔面の感覚神経担当

鼻から上が眼神経、上あごが上顎神経で、下あごが下顎神経の3本に分かれるので、

「三叉」神経です。

第6脳神経は外転神経。

眼球を外に動かす神経です。

「あれ?動眼も、滑車もだったよね?」

はい、きっと眼球を外に向けると見える範囲が増えるので、

動物進化上重要性が高かったのでしょう。

第7脳神経は顔面神経。

表情筋のコントロール(顔面の運動担当)と、味覚・涙や唾液分泌担当でもあります。

第8脳神経は内耳神経。

聴覚と平衡覚の担当でしたよね。

 

そして延髄

脳幹の一番下に位置していて、脊髄とつながっている部分。

そして各種反射の宝庫

残っている脳神経の出発地点でもあります。

 

残っている脳神経9番から12番が延髄出発。

第9脳神経は舌咽神経。

舌の後ろ1/3の味覚と耳下腺担当

第10脳神経が迷走神経。

名前で損している、自律神経(副交感神経)内臓全般担当神経

第11脳神経が副神経。

肩の僧帽筋と、首の胸鎖乳突筋担当

第12脳神経が舌下神経。

舌の運動担当…でした。

これで12本の脳神経全部の紹介ができましたね。

もうお分かりのように、

脳神経は広い意味での脳から出ている(もしくは脳近くから出ている)神経。

これらは情報を伝えるだけなので、判断・命令はしていません。

だから「脳神経は中枢ではなく末梢神経」と説明されるのです。

この12本の脳神経は、看護師国家試験では必ずと言っていいほど出てきます。

早いうちに、理解して覚えてしまってください。

目の周りと舌の周りに注目して、五感の感覚器ごとに理解すれば

残りは少ないし、難しくありませんよ。

 

延髄は反射の宝庫でもありました。

「4 消化器系」でもおはなしした、大事な嚥下は「嚥下中枢」がコントロール。

異物を吐き出す嘔吐反射、口に食べ物が入ったらだ液を出す消化反射、

血液を巡らせる反射に、呼吸の反射…。

延髄がお仕事をしてくれないと、生きていくことは難しそうです。

延髄も、橋も、中脳も。

1つの反射中枢が複数の個所にまたがっていることもあります。

これは原則として現場担当は一番下の延髄です。

それをコントロールするのが1つ上の橋。

もっと大きくまとめているのが1番上の中脳です。

…この上下関係、内分泌(ホルモン)の話では特に大事になってきますよ。

 

次回は、脊髄の補足とデルマトーム・ミオトームのおはなしです。