3 強く打った!(打ち傷):頭部個別器官
「頭部を強く打った!」ときの一般的なおはなしは前回しました。
今回は「個別の部分を強く打った!」おはなしです。
眼の周りを強く打ったとき、一番怖いのは眼球破裂。
運よく破裂を免れても、
その分の衝撃が周囲の組織(骨も含む)に
悪影響を与えている可能性があります。
眼(眼球)を動かさないように、
きれいな冷たい水でタオルを濡らして、
眼を閉じてから上を覆ってください。
圧迫しないように包帯やガーゼで固定してから、
病院に行って眼科にかかってください。
当然この状態では周りを見ることはできませんから、
一緒についていく人は周囲に注意してあげてくださいね。
耳を強く打ったとき、鼓膜が破れることがあります。
鼓膜は音の振動を受け止めるところですが、
鼓膜が破れても音が聞こえなくなるわけではありません。
「聞こえが悪いなぁ…」と感じたら、
破れてしまっている可能性が高いですね。
それ自体は病院に行かなくても治りうるものですが、
破れたところから異物が入り込むと感染の危険があります。
耳鼻科にかかって、消毒してもらった方が良いですよ。
鼻の打ち傷は鼻出血になることがほとんど。
鼻出血のおはなしは切り傷(2)ですね。
https://5948chiri.com/fiai-1-2/
鼻骨の骨折は鼻詰まりを起こしやすくなるだけでなく
痛みがあります。
呼吸器系の感染症のときに炎症が長引く可能性が出てきますので、
こちらは(痛みを早く治すためにも)耳鼻科へ早くかかりましょう。
あとは口周りの打ち傷ですね。
こちらは「切れた!(切創)」と「打った!(打ち傷)」の
混合になることが多くなります。
唇や舌から出血すると、かなりたくさんの血が出ます。
慌てがちですが、痛いのを我慢してまずは水でうがい。
ちゃんと血を外に出して。
血を飲み込まないでくださいね。
水で流すと、切れた部分が見やすくなります。
これまた痛いのを我慢して、
清潔なガーゼで切れたところを圧迫しましょう。
すぐに外科(可能なら口腔外科)にかかれば、
縫ってもらって、意外なほど早く治ります。
だからこそ、出血量に慌てず、落ち着いて対処してください。
傷の治癒に対して感染を防ぐことが重要な理由は、
皮膚のおはなしのところでしましたよね。
https://5948chiri.com/adan-4-4/
ちょっと重症なのが歯茎(歯)の出血。
単に歯茎の粘膜が切れただけならいいのですが、
顎の骨や歯の根が折れた可能性があります。
これは歯科(と口腔外科)に急いでかかりましょう。
最初はきれいな水でうがいをすることをお忘れなく。
もちろん、途中で出た血も飲み込まないように
吐き出すための袋やティッシュ等も準備してください。
可能なら、きれいなガーゼ等で出血部を圧迫しておくと
出血由来の貧血・ショックを防げますよ。