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3 強く打った!(打ち傷)

刺し傷で古い釘のおはなしをしたので、

今回は金槌(かなづち・トンカチ)による打ち傷のおはなし。

場合によっては「小指をたんすの角に!」や

「床にある固いものを思い切り踏んだ!」にもつながるおはなしです。

 

打ち傷は、硬いものにぶつかってできた傷。

出血はないことが多いのですが、

実は内側の細胞の損傷が激しい傷です。

出血していたら、洗い流して圧迫止血。

切り傷のところでおはなしした通りです。

外側に出血していなくとも、

皮膚の下(筋肉等)で出血していることが多いですよ。

皮膚がある以上異物侵入の危険はあまり高くありませんが、

止血は早いほうがいいですね。

打った場所を直接圧迫すると痛みますので、

打った場所は濡れたタオル等で冷やしつつ、

止血点をうまく使って止血できるといいですね。

もちろん、激しい痛みのときには

冷やしつつ、止血点しつつ、病院ですよ。

 

…そんな悠長なことをしていられない打ち傷もあります。

交通事故は分かりやすい例ですね。

「足を踏み外して落ちた」なんてときには

落ちた場所によっては打ち傷になります。

低い平均台等の遊具から落ちても、

腹部を平均台に打ち付けたら…腹部打ち傷ですよね。

頭部や胴体部の打ち傷は、

内側にある器官に悪影響を与えかねません。

 

強く打った後、一時的に顔色が悪くなり

冷や汗が出て、呼吸が浅く早くなることがあります。

これはショックを起こした状態。

胸腹部の打ち傷で起こりうるものです。

普通は、数分で元の状態に戻るはず。

すぐに動かないように様子を見つつ、

安静にしてあげてください。

 

数分で元に戻らない、元に戻ったけどまた…なんてときは

迷わずに救急車。

胸腹部器官が破裂(損傷)した可能性があります。

よほど危険な場所でない限り動かさずに、

衣服やベルトを緩めるだけにして救急車を待ってください。

 

頭を強く打ったときも、数分ほどボーっとするだけなら一安心。

痛みで泣きだせば、まずは脳の働きは正常です。

打った場所の骨がくぼんでいたら、早めに病院へ。

頭蓋骨陥没骨折から、血腫(血の固まりができる)を起こして

脳が圧迫されてしまうことがあるからです。

 

ぐったりしたままなら救急車!

打った後すぐは泣いていても、

やがてぼんやりしてきた…なんてときも同じく救急車です。

ひどい頭痛や吐く、けいれんが出たときも

ためらわずに救急車です。

見えないところ(頭の奥の骨等)で出血していたせいで、

血腫が脳を圧迫している可能性があります。

もちろん、頭を打った後の耳や鼻からの出血は、

即救急車ですからね!