3 薬に共通するおはなし(2):分布(D)(2)

主作用と副作用のおはなしは、

「クスリのリスク」と言われることもありますね。

主作用というのは、薬が本来目的としている働きのこと。

副作用というのは、

クスリの本来目的としていなかった体に悪さをする働きのことです。

 

例えば、下痢止めの薬を飲んだとしましょう。

「下痢が止まる(腸管の運動低下もしくは一時停止)」は、

下痢止めの薬にとって目的通りですから、主作用です。

「口が渇く(口渇)」は、

下痢止めの薬の目的ではありませんし、

不快ですから「体に悪さ」ですね。

だから口渇は副作用になります。

 

副作用についておはなしされるとき、

「中毒」や「過敏症・アレルギー」が出てくることもあります。

 

薬による中毒は、体に悪さをしている点では文句なく副作用です。

でも正しい使い方(正しい薬の量)なら、

中毒にならないように薬は注意深く実験を受けてきたもの。

だから通常の使用方法なら心配の必要はありません。

 

薬による過敏症(アレルギー)も体に悪さをしますが、

そのヒトの状態によって出ることも出ないこともあります。

ヒトの体質(もって生まれたもの)によって左右されるだけでなく、

寝不足・ストレス過多等、そのときどきの状態にも左右されます。

一般的な副作用とは言えませんが、

「出るかもしれない」という意識でいてくださいね。

 

残念ながら、薬は主作用だけを取り出すことはできません。

大なり小なり、副作用がついて回ります。

だから「薬の主作用がちゃんと出る薬の濃さ(薬の量)」かつ、

「薬の副作用が可能な限りで出ない薬の濃さ(薬の量)」を探すために、

長い時間がかかります。

ここが薬を動物実験にかけつつ、

安全性と有効性を確認するときに出てくる、用量反応曲線です。

 

…動物実験の言葉が出てきたので、

ここで「薬ができるまで」の段階を簡単におはなしします。

 

薬はヒトが安全に使えるようになるまで、

多くの段階を必要とします。

何か使えそうなものが見つかったからと言って、

いきなりヒトに使ってしまったら大変なことになります。

まずは動物(マウス等)で、

濃度・催奇形性・毒性等を確認する段階が必要です。

 

そこをクリア出来たら、

ヒトで三相に分かれる臨床試験をする段階です。

時々「健康な男性対象の短期アルバイト!治験参加者募集!」と

募集されるのが第一相。

従来の薬では十分な効果が上げられない患者さんに、

同意を取って体内での薬の動きを確認するのが第二相。

患者さんに情報を広く提供し、

同意をもらえた人対象に、

主作用と副作用の最終チェックをするのが第三相です。

 

用量反応曲線は、ヒトに使える薬ができるまでの

大・大・大前提にあるおはなしになってきます。