3 ケース3:深夜の悲劇(2)

今回はBとCについてさらりと確認。

アウトの要件は

何かやばそうだと気が付かなくちゃいけなくて、

そのやばい状態にならないように何とかしなくちゃいけなくて、

それなのにやばい状態を生じさせてしまったら、アウト」ですよ。

 

最初に注意!

Bはボイラーマン、Cは院長だからという理由で、

読み飛ばそうとしている人はいませんか?

…あなたが病棟等で火災責任者・フロア責任者になる可能性はゼロですか?

「ゼロ!」と言えないなら、とりあえずでも読んでおきましょう。

 

 

Bについて。

Bがやばそうだと気付けたかですが…

「トーチランプの炎をパイプに当てた」この表現だけでやばいですね。

よほど周囲が難燃性素材じゃない限り、即、火事になりそうです。

一般人はやばそうだと気付けます。

次にやばい状態にならないように何とかしなくちゃいけななったか。

パイプが凍結していたのなら、タオルを巻いてお湯で溶かす方法が考えられます。

カイロやドライヤーの温風でも溶かせそうです。

仮にそれでは溶かしきれないものだったとしても…

もし究極の選択

「給湯管を凍ったままにしておくことと建物を火事の危険にさらすこと」だったら、

人命安全第一である以上、給湯管凍結を選ぶと思うのです。

しかもBは「火が燃え移った瞬間」そこにいました。

初期消火はすぐにできたはずです。

ましてや火の取り扱いに深い理解がありそうなボイラーマンでした。

それなのに、Bはあろうことか火のついたものをパイプに近づけ、

火を燃え移らせてしまったのです。

立派なアウト、ですね。

 

…ボイラーについて少々補足。

ボイラーは建物全体にお湯を提供するための機械。

単にお湯を作るだけではなく、給湯管から出る熱を利用して暖房として使われます。

当然、お湯を沸かすために電気やガス等を使いますから

火災の可能性があります。

ボイラー技師の試験には「燃料・燃焼」についての知識も問われますよ。

しかもBにはおまけつき。

Bは通報せずに逃げています。

いきなり火が付いたらびっくりすることは分かりますが…逃げちゃいけません。

あくまで参考ですが、

「逃げずに頑張って、初期消火して、人も呼んだけどダメだった…」だったら、

裁判所は「アウト!」と言いつつも、少し軽いアウトにしてくれます。

だから、Bはどうしようもなくアウトなのです。

Cはやばそうと気付けたか。

この病院にはスプリンクラー等の法令が定める消火設備がなかったですね。

非常口も解放されていませんでした。

きっと、非常口の前に器材を置きっぱなしにして、緊急時も開かないんです。

一般人の目から見て、ものすごくやばいことに気付けますよね。

やばい状態にならないように何とかしなくちゃいけなかったか。

Cは病院長かつ経営者。

医師としてトップなだけでなく、

病院の経営もしていて、経営の中には建物の防災計画が含まれています。

はい、まさにCこそが

「やばい状態にならないように何とかしなくちゃ」いけなかったのです。

しかも、Cは建物所有者としての建築基準法・消防法上の義務違反もしています。

…はい、要件に照らし合わせて、アウトですね。

 

そんなわけで、BとCはアウトでした。

じゃあ、あなたは大丈夫ですか?

次回、一緒に考えていきましょうね。