1 総論:微生物の大まかな分類(2):原虫と細菌分類

さて、原核生物の細菌と原虫ですが。

原虫には「胞子」という真菌との共通項があります。

真菌と少し似ている、原虫を先にまとめてしまいましょう。

 

原虫にはアメーバ(赤痢アメーバ)、マラリア(マラリア熱)、

トリコモナス(膣トリコモナス症)、トキソプラズマ(トキソプラズマ症)、

クリプトスポリジウム(クリプトスポリジウム症)などが含まれます。

他の微生物と比べて「どこか虫っぽい?」グループです。

他にもたくさんの原虫がいますが、

看護で出てくるのはおそらく今名前を紹介したものだけのはずです。

 

原虫には、細胞壁がありません。

乾燥にはどうしても弱いので、

胞子や嚢子(シスト)の形で耐えることになります。

劣悪環境を乗り越え、

いざ「増えられる状態」になったら出芽して、増殖です。

これが栄養型と呼ばれる、運動能力と増殖力がある状態です。

原虫も自分だけで増える「分裂」や「内部出芽」、

他の固体と遺伝情報を混ぜる「接合」や「胞子形成生殖」ができます。

胞子形成生殖で出来る、

多くの胞子が中に入っている物は嚢胞体(オーシスト)といいますよ。

 

残った細菌のおはなしですね。

細菌にはとてもたくさんの種類があり、分類するのも一苦労。

その中でも良く使われる分類が「形によるもの」、「グラム染色によるもの」、

「酸素の好き嫌いによるもの」です。

 

形による分類は、

見た目から「球菌」、「桿菌」、「らせん菌」に分けられます。

球菌はボール状。

1個だけのことも、つながること(2つで双球菌、複数で連鎖球菌)もあります。

桿菌は楕円状。

これも1つのことも、複数のこともありますね。

らせん菌は「らせん」なのですが。

「桿菌がちょっと曲がった?」ぐらいのものがビブリオ。

「1回ぐらい回転したかな?」ぐらいのものがスピリムル。

「たくさんねじれた!」がスピロヘータです。

スピリムルやスピロヘータはすぐに「らせん」をイメージできると思いますが、

ビブリオが「らせん」に入ることをお忘れなく!

 

グラム染色というのは、

細胞壁の構成成分(表面)によって染まる色が変わりますよ、というもの。

細かい染色方法は気にせずに。

紫色に染まるのが、ペプチドグリカン層の分厚いグラム陽性菌。

赤色に染まるのが薄いペプチドグリカン層の外側に外膜のあるグラム陰性菌。

グラム陰性菌の細胞膜はこの「外膜」と区別するために、

「内膜」ということもありますね。

ペプチドグリカンというのは、多糖とペプチド鎖がつながったもの。

キチンで出てきたN-アセチルグルコサミンも、成分の1つですよ。

 

ちょっと補足。

「抗酸菌」という細菌の一群があります。

名前だけからすると「酸性環境下でも生きられる菌かな?」と思えますが、

これは染め方に関係する分類によるもの。

赤い色素で染めた後、酸で脱色されずに赤いままの菌が「抗酸菌」です。

グラム染色とはちょっと違う色素を使いますが、細かい話は省略。

結核菌(結核)やらい菌(らい病)が含まれるグループです。

 

「酸素がないと増えられない」細菌がいれば、

「酸素があると増えられない」細菌もいます。

酸素がないと増えられない、酸素呼吸(好気呼吸)をするのが好気性菌。

酸素があると増えられず、

酸素不要のATP産生(発酵)をするのが嫌気性菌(偏性嫌気性菌)。

酸素があってもなくても増えられる、

呼吸も発酵も出来るのが通性菌(通性嫌気性菌)です。

 

次回は細菌の細胞小器官と増殖を確認していきますよ。