5 総論:国レベルの侵入を減らす方法(3)

5類感染症は

紹介するだけでも一苦労の量です。

しかもかなりの部分が看護師国家試験に関係してくるので、

紹介の省略もできないところです。

 

5類感染症は「全数報告が必要なもの」と

「定点(決まった医療機関だけ)報告が必要なもの」に分けられます。

全数報告も「直ちに(確認したらすぐに知らせて!)」と

「7日以内に(早めに知らせて!)」に分けられています。

 

「直ちに」報告しないといけないのは風疹と麻疹。

そして侵襲性髄膜炎菌感染症です。

風疹と麻疹は予防接種対象ですね。

侵襲性髄膜炎菌感染症は日本ではあまり起こりませんが、

中央アフリカ等では多い病気。

のどの痛みから急に悪化し、すぐに治療しないと重い後遺症を残し、

何もしないと致死率50%にも達する怖い病気です。

 

「7日以内」報告対象は…多いです。

肝炎ウイルスB型・C型・D型、後天性免疫不全症候群、梅毒、

クロイツフェルト・ヤコブ病、入院レベルの水痘、先天性風疹症候群、

侵襲性の肺炎球菌感染症、侵襲性のインフルエンザ菌感染症、

劇症型溶血性連鎖球菌感染症、破傷風、百日咳、クリプトスポリジウム症、

播種性クリプトコッカス症、バンコマイシン耐性腸球菌感染症、

バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症…など。

これらは

「できるだけ早く、適切な治療を提供しないと大変なことになる!」ものです。

しかも医療機関自体も「しかるべき対応」をしないと、

感染拡大地点になる可能性があります。

耐性菌2種や入院レベルの水痘、

クロイツフェルト・ヤコブ病のプリオンにも注意が必要です。

クリプトスポリジウム症は、塩素に強いので

「しかるべき対応」の中身については、

消毒・滅菌のところでも出てきますからね。

 

「定点報告」の多くは、週単位での報告です。

月レベルで報告が必要なのは、

MRSA、ペニシリン耐性肺炎双球菌、薬剤耐性緑膿菌の「薬剤耐性組」ですね。

 

基幹(指定医療機関)定点報告対象は、

オウム病以外のクラミジア肺炎、マイコプラズマ肺炎、

無菌性髄膜炎、細菌性髄膜炎、ロタウイルスによる胃腸炎です。

 

特定の医療機関(診療科)で見つかる病気もありますね。

眼科の急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎。

小児科はRSウイルス感染症、A型溶連菌感染症、咽頭結膜炎、水痘、

手足口病、ヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ:ムンプス)、

伝染性紅斑と突発性発疹です。

やたらと多いですが、

これらは集団生活で広がりやすく、水痘以外は定期予防接種対象外ですよ。

 

性感染症のクラミジア、ヘルペス、淋菌、尖圭コンジローマは

「女性科」や「産婦人科」、

「泌尿器科」と医療機関(診療科)が限定されていません。

性の多様化で咽頭炎の形で見つかることもあるからですね。

あと、インフルエンザも限定されない定点報告対象です。

 

以上、できるだけ簡単…なはずなのですが量の多い

「感染症法の1類から5類」までのおはなしでした。

あとは追加ブロックの

「新型インフルエンザ(再興型インフルエンザを含む)」が、

検疫感染症であることを補足しておきますよ。