2 脈拍・血圧のおはなし(1)心臓4:代償機構
ヒトの体はどこかがおかしくなっても、
他のところがフォローに入り、
大事に至らないようにしています。
これが補足としておはなしする「代償機構」です。
フォローが有効なうちに、
おかしくなってしまったところが治ればいいのですが…。
間に合わない
(含む:そもそも「おかしくなった」ことに気付かない)と、
全てがダメダメになってしまいます。
今回注目している心臓は、止まってはいけないポンプでした。
心機能が低下して、心拍出量が下がってくると、
まずは交感神経系が頑張ります。
「ドキドキさせて、回数を増やそう!収縮性も上げよう!
これで1分あたりの体内血液循環量は守られるはずだ!」
さらに循環量不足に備えて、血管を収縮させることで
中心部分(重要器官)への血流をキ-プします。
また、循環量をこれ以上減らさないために、
ホルモン系もフォローに入ります。
下垂体後葉のバソプレッシン、
腎臓の血圧を上げる呪文
「レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系」。
どちらも体外水分排出を減らし、循環量をキープするための働きです。
…でも、体内循環量を増やすということは、
静脈に還る水分が増えるということ(静脈還流増加)。
循環量が増えて、心拍出量が増えるということは、
心臓の負担が増えるということでもあります。
始まりは「心機能低下」でしたから…
弱っているところに更なる無理をさせていることになります。
何が起こってくるかは、
今までのおはなしを読んだみなさんは、もう分かりますよね。