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4 体温のおはなし(1)血液・免疫(1)

【イントロダクション:体温全体について】

今回からは、体温を測る意味についてのおはなしです。

体温は身近な存在ですが、

平熱(正常体温)は常に同じではありません。

日内変動もあれば、年齢による違いもあります。

大まかに代謝の高い10歳までは37℃以上、

10~50歳は36℃台、

代謝の低下する65歳以上では35℃台も珍しくありません。

 

以前(1957年)は

「成人は36.6~37.2℃」とされていましたが、

現代はストレス、エアコン、運動不足等も相まって

平熱が低下傾向にあります。

体の奥に体温計を入れることができれば、

もっと高い深部温が出るはず。

深部温は細胞にとって一番元気になれる環境で、37.5~38℃。

表面温と深部温の違いを見ると、

いかに脂肪(と皮膚)が

体熱を逃がさないように苦労しているかが分かると思います。

 

体温は何があったら上下しますか?

風邪やインフルエンザにかかったら、

体温(熱)が上がりますね。

血液の免疫系があるおかげで、

私たちの体の中は感染から守られています。

感染と免疫系のおはなしをここでしましょう。

 

では、それ以外は?

 

ここで、体温(熱)の作り方について復習してみましょう。

体温の大元は、個々の細胞がATPを作ること(代謝)です。

では、ATPを作るために必要なものは何でしたっけ?

グルコースがないと、いけませんね。

グルコースは、食べ物から取り入れないといけません。

消化器系は取り入れるだけの

上部消化器系(~小腸)だけでは不十分。

ちゃんと捨てないと新しく食べ物を入れることができませんから、

排出担当の下部消化器系と泌尿器系も大事です。

 

だから、消化器系と泌尿器系がちゃんと働かないと、

体温に影響する可能性があるのです。

泌尿器系と場所も関係も近い、

生殖器系のおはなしもここでしてしまいましょう。

 

もちろん、ミトコンドリアと酸素があれば、

もっと効率よくATPを取り出せます。

むしろ、酸素なしではATP量が生きるために足りません。

でも、呼吸器系のおはなしは

「呼吸数」のところに取っておきましょうね。

 

血液に酸素とグルコースがあって、

細胞にミトコンドリアがあればそれでいいのか。

…細胞に号令をかけるホルモンも必要ですね。

だから内分泌系がちゃんと働いてくれないと、

ATPを作ることはできません。

各種代謝異常や電解質異常にも関係してくるおはなしです。

あと、体温産熱の2大地点は肝臓と筋肉。

筋肉のおはなしも、ここでしておく必要がありそうです。

 

そんなわけで、体温上下の大前提から確認してみました。

「消化器系・泌尿器系(+生殖器系)は大大前提!

コントロールには内分泌系も必要!筋肉も忘れずに!」ですね。

 

コントロールのもう1か所、中枢については

「呼吸数」のほうでおはなししようと思います。

こちらでは、体温に関する最小限度を説明するにとどめますよ。

 

今回以降のおはなししていく順番を整理しておきましょう。

はじめに血液(赤血球を除く)と免疫(含む感染)のおはなし。

続いて上部消化器系のおはなしから内分泌系のおはなし。

おしまいに下部消化器系(と泌尿器系)・生殖器系、

代謝異常と電解質異常等についておはなししますね。