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2 「健康」とは:(1)「生きる」ために[補足3]

2019年11月20日

学校保健安全法に定める出席停止、第二種の具体例を確認中でした。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000201596.pdf

2つの条件をみたさないと出席停止を解除できない

「かつ」のグループには、流行性耳下腺炎とインフルエンザが含まれます。

 

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)は、

「耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、

かつ、全身状態が良好になるまで」。

1つ目の条件は、3つあるだ液腺の腫れが出た後、5日を経過。

それ以降もだ液中にウイルスは残りますが、

感染力が強いのは「腫れてから5日間」です。

だ液腺の腫れ・痛み、発熱は長くとも2週間で治まります。

腫れも痛みもなくなり、熱が下がれば体調も良くなるはずです。

全身状態が良くなったら…2つ目の条件もクリアですね。

 

インフルエンザは「発症した後5日を経過し、

かつ、解熱した後2日を経過するまで」。

2つの条件とも、日数が問題になります。

これも具体的に確認しておきましょう。

 

12月4日にインフルエンザを発症しました。

熱は12月8日に下がりました。

「発症した後5日を経過」するのは、

12月5日、6日、7日、8日、9日が過ぎた12月10日です。

「解熱した後2日を経過」するのは、

12月9日、10日を過ぎた12月11日です。

だから、12月10日に学校に行ったらアウト!

12月11日にならないと学校に行くことはできません。

 

以上、個別出席停止期間がある第二種でした。

考える基本は「感染力あるうちは、出席しちゃだめよ!」ですからね。

 

第三種は空気感染や飛沫感染をしないため、

「かかったら常に出席停止!」になるわけではありません。

でも、集団生活の中で流行しやすいものであることは事実。

現実的には「出席停止になる!」と考えておいてください。

いろいろなものがここには含まれますが…

腸管出血性大腸菌感染症や流行性角結膜炎等が代表です。

 

腸管出血性大腸菌はO-157-H-7が有名どころ。

飲食物からの経口感染や接触感染のため対策は取りやすい方ですが、

感染すると重症化しやすいため学校としては要注意ですね。

 

流行性角結膜炎は咽頭結膜炎(プール熱)と同じアデノウイルスによるもの。

咽頭に感染が起きていないため飛沫感染の心配はありませんが…。

目をこすった手を経由して左右の目に感染が広がったり、

共有部に触れて他の子どもへと感染が広がったりする可能性があります。

結膜炎の症状(充血、目やに)が出ている間は、感染力があると思ってください。

 

以上、学校保健安全法による学校感染症分類のおはなしでした。

 

そしてちょっとだけさらに補足。

学校感染症の第一種は、

「感染症法の一類・二類から結核を除いたもの」でしたね。

感染症法では特定の病気の診断をした医師には、直ちに(すぐに)、

保険所長経由で都道府県知事に届出をする義務があります

(比較的感染力・悪影響が弱い五類だけは7日以内に届出義務)。

 

都道府県知事は一類患者に対しては入院勧告をし

(「こういうことなので、入院してください」)、

仮に入院を拒まれても

(感染拡大予防のため、あくまで緊急の対策として)入院させることができます。

感染症の蔓延を防ぐことが、感染症の目的だから…ですね。