2 薬に共通するおはなし(1):吸収(A)の応用(3)

2019年5月2日

前回は初回通過効果を受けない点に注目してみました。

今回は「小腸よりも早く吸収!」に注目してみましょう。

 

すぐに効いてほしいときの例として、

呼吸が苦しいときもイメージしやすいですね。

例えば、気管支喘息。

空気の通り道の気道(主に気管支)が狭くなってしまい、

空気を十分に体の中に取り入れられない状態です。

空気中の酸素も体の中に取り入れられませんから、

全身細胞が酸素不足の大ピンチ!

 

こんなときには吸入剤の出番です。

例えば、気管支拡張薬。

気管支の平滑筋を収縮させるのは副交感神経の担当。

だから交感神経系を優位にする薬か、

副交感神経系の働きを邪魔する(遮断する)薬があればいいですね。

どちらの吸入剤もありますよ。

 

鼻の中に噴射して息を吸うと、

薬の入った空気が肺胞へと届きます。

肺胞は酸素と二酸化炭素を交換する場所。

肺胞の周囲は網目のような毛細血管に覆われています。

酸素を血液に取り込むときに、

薬も一緒に取り込んでもらえば…

すぐに血液にのって交感神経系や副交感神経系に働いてくれます。

しかも肺胞と気管支はすぐそばにありますね。

早速縮みすぎている平滑筋に働いて、

緩めて(気管支を広げて)くれそうです。

 

そんなに便利なら

他のお薬も吸入しちゃえばいいのに!…と思うかもしれませんが。

 

残念ながら、吸入は量の調節が難しいという欠点があります。

薬は多すぎると「毒」になってしまいます。

これはもう少し先のおはなしです。

今は「気管支に効かせるお薬は、吸入があるぞ!」

ぐらいのつもりでいてくださいね。

 

今まで「小腸から吸収される飲み薬」と対比させて、

薬の吸収方法についておはなししてきました。

…一番いやな「注射」が、まだ出てきていませんね。

注射は確かに使い方によっては早く吸収されますが、

あまり率先して選びたい方法ではありませんよね。

だから「飲み薬の中の種類」のおはなしを先にすることにしましょう。

その後で「針を刺すおはなし」をまとめますね。