2 「健康」とは:(2)「よく生きる」ために[補足1]

2019年11月20日

「(動物として)よく生きる」の補足として、

四大公害病とヒトの身体への影響を簡単にまとめておきましょう。

ここでは「簡単に」しか扱えませんので、

それ以上は病態学や公衆衛生等で勉強してくださいね。

 

日本の四大公害のうち、3つまでは「重金属」が原因です。

生化学や生理学でビタミンについて勉強をすると、

脂溶性と水溶性の違いを強調されるはずです。

脂溶性は過剰症、水溶性は欠乏症になりやすい…ですね。

脂溶性以上に、体内に一度入ると出ていかなくて問題になるものが

「重金属」と呼ばれるものです。

 

まず、化学の分類としての重金属は比重が4以上の金属元素のこと。

身近なものでは鉄以上の重さなので、かなりの金属がここに含まれます。

そして重金属に含まれていても、

私達の体に不可欠でしかも悪さをしにくいものもいます。

ミネラルの鉄・クロム・亜鉛・マンガン・モリブデンなどですね。

だからここで問題にするのは、

「重金属のうち私達の体に悪さをしてしまうもの」。

公害病を引き起こす金属たち(水銀・カドミウム等)です。

これら重金属は水や食べ物(多くは食物連鎖を経て生体内濃縮済み)から体に入り、

体から出ていきません。

体内でどこにたまりやすいかはその重金属ごとに違います。

水銀は脂肪と骨・腎臓・肝臓にたまりやすいです。

脂肪と言われるとつい「内臓…?」と考えがちですが、

意外と脳には脂肪が多く、脳に対する影響を無視することはできません。

だから水俣病・新潟水俣病(有機水銀であるメチル水銀が原因)では、

激しい中枢性神経障害(感覚障害・振戦(手の震え)・言語障害等)が出ました。

また、胎盤経由の胎児性水俣病では奇形児も生じてしまいました。

これは骨に対する影響の表れですね。

 

カドミウムも腎臓と肝臓にたまります。

主に悪さをしたのは腎臓にたまって、尿細管を傷つけてしまったカドミウム。

尿細管が損傷したことで(特にリン酸と重炭酸の)再吸収ができなくなり、

骨量が下がってきてしまい、

すぐに骨折してしまうほどスカスカになったのです。

腎臓機能自体も低下し、ビタミンDの活性化ができなくなってしまいます。

すると、ビタミンDの担当していたカルシウム吸収もできなくなり…

骨はもうどうしていいかわからないほどの大ピンチ。

「脈を取ろうとして腕を動かしたら骨折」

実際の患者であった話だそうですが、にわかには信じられないレベルですね。

骨は折れる、カルシウム不足で筋肉も動けない…これがイタイイタイ病です。

 

空気が問題になった四日市ぜんそくについては、次回おはなししますね。