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2 「健康」とは:(2)「よく生きる」ために[補足3]

2019年11月20日

ペットの例に限らず、ヒトにとっても「運動」は大事。

じゃあ、どうして運動は「(動物として)よく生きる」ために必要なのでしょうか。

厚生労働省が出している指針を見ながら、

運動が体に与える影響を確認してみましょう。

(厚生労働省:アクティブガイドの紹介ページ 厚生労働省  )

(アクティブガイド(PDF) アクティブガイド

 

全ての年齢のすべての人に、

「現在の身体運動量を少しでも増やしましょう!」と

アクティブガイドは呼び掛けていますね。

具体的に増やす運動量の例は

「1日10分でも長く歩いてみよう」です。

これなら、できそうな気がしますね。

 

では「少し運動を増やす」と、

「生活習慣病と生体機能低下のリスクが下がる」といいますが…

これ、何が体の中で起こっているかイメージできますか?

運動の効果について、ごく簡単に説明していきますね。

すぐには分からなくとも、

生化学や生理学、解剖学を勉強すれば理解出来るところなのでご心配なく!

 

一番効果が目に見えて分かるのが生活習慣病(メタボリックシンドローム)対策。

メタボリックシンドロームは、

腹囲から疑われる内臓脂肪の過剰蓄積(内臓脂肪型肥満)、

それをきっかけに高血圧、糖尿病、脂質異常(高脂血症)になる状態です。

 

運動をすると、筋肉で必要になるATPが増えます。

血糖や筋肉に蓄えてあるグリコーゲンからのATP産生が尽きると、

次にATP産生元として使うのは脂肪(脂質)です。

皮下だけでなく内臓周辺に蓄えてあった脂肪も「ATPのもと」として使われ、

結果として脂肪が減ることになります。

そして腹囲も体重も減れば、立派な肥満解消です。

 

また筋肉(特に骨格筋)でのエネルギー必要量が頻繁に増えるため、

細胞のインシュリン抵抗性が改善されます。

「こんなことになるなら、普段からインシュリンの号令を聞いて

ちゃんとグルコースを細胞内に取り込んでおこう…」ですね。

インシュリンの号令に素直に耳を傾けるようになれば、

血糖はどんどん細胞の中へと取り込まれていきます。

血糖値の低下(糖尿病の改善)につながりますね。

 

さらに、骨格筋ではリポプロテインリパーゼ(LPL)の活性が上がります。

脂質異常の改善のおはなしですね。

少々長くなるところなので、次回はここからスタートしますよ。