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12 各論7:呼吸(中枢・精神):③麻酔薬(5)

2023年10月29日

スキサメトニウム塩化物水和物の禁忌を確認していきましょう。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00068042

禁忌は本剤にアレルギーのある人。

原則禁忌は、本剤に眼圧亢進作用があるので緑内障の人。

ジギタリス中毒の可能性がありますから、

ジギタリス中毒の既往がある人や

最近ジギタリスを使った人も原則禁忌です。

ジギタリス製剤が

原則併用禁止に入っていることも見てくださいね。

また、重いやけどや尿毒症、

四肢麻痺の人や広範性挫滅性外傷の人にも

原則禁忌になります。

これはスキサメトニウム塩化物水和物のせいで

筋肉でのナトリウム移動に変化が起こるのですが、

これらの人では特に

血中カリウムイオン増加から心停止の危険があるからですよ。

妊娠中や妊娠可能性のある人にたいしては、

安全性が確立されていませんよ。

 

併用注意の多くは、本剤の働きを増強してしまうものです。

同じ筋弛緩薬や止血剤(アプロチニン)、

全身麻酔(デスフルラン)や催眠鎮静薬(エスゾピクロン)、

抗悪性腫瘍薬(シクロホスファミド)等がここに含まれます。

同じ悪性腫瘍に効くお薬でも、

本剤の働きを弱めるもの

(イリノテカン塩酸塩)があることには注意ですね。

 

あと、抗生剤にも注意しておきましょう。

アミノグリコシド系とリンコマイシン系抗生剤は、

スキサメトニウム塩化物水和物と同様に

神経遮断作用があります。

アミノグリコシド系は呼吸抑制が、

リンコマイシン系は筋弛緩性が強く出がちです。

スキサメトニウム塩化物水和物の呼吸抑制は、

あっという間に始まります。

添付文書の警告にも書いてありますが、

事前準備をしっかりしておかないと

人工呼吸が間に合わなくなってしまいますよ!

 

気道確保に関係する問題が一段落しましたので、

全身麻酔のおはなしに入りましょう。

ここでは亜酸化窒素(N₂O)とプロポフォールを紹介しますね。

 

亜酸化窒素(N₂O)は笑気ガスとも呼ばれます。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00006356

麻酔作用自体はあまり強くありませんが、

視覚・聴覚・触覚・痛覚を抑制しますので

麻酔導入時には良く使われます。

歯の治療時のように局所麻酔と一緒に使われることもありますよ。

体の中に入る気体中の酸素濃度が20%以上になるように、

「酸素と併用必須!」であることはお忘れなく!

 

禁忌はありませんが…妊娠中は「やむを得ぬとき」だけに使うはず。

動物で催奇形性が報告されていますからね。

 

慎重投与対象はビタミンB12欠乏の人と造血機能障害がある人。

副作用の造血機能障害が出る可能性があるからですね。

また、耳管閉塞・気胸・腸閉塞等がある人にも慎重に。

これは閉じた空間の気圧変化が起こる

(閉鎖腔内容量変化)可能性があるからです。

「普段入らないガスが体内に!

血液中のぎゅうぎゅう度合いが変化したら、閉じたところに影響?」と

考えれば難しくありませんね。

併用注意対象は、次回おはなしするプロポフォール。

双方の効果を高めるため、

血圧低下や心拍出量低下に注意してくださいね!

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20231029更新)