3 ピルのおはなし(3)
ピルのいいところばかりをおはなししてきましたが。
ちょっと注意するところもあります。
「副作用」と言われるとドキッとしますが、
定期的に検査をすれば怖いものではありませんよ。
まず、使い始めてから3か月くらいまでには、
吐気・頭痛・むくみ等が出ることがあります。
これは体内のホルモン量が変化することに伴うもの。
ホルモン量はピルの種類(商品)によって異なるので、
「合わない!」と思ったら変更できます。
変更希望をお医者さんに伝えてください。
次に血栓症のリスクがあること。
血管内で血液が固まってしまうことで、
「~血栓症」や、心筋梗塞、いわゆる「脳卒中」が対象ですね。
でも「リスク」といえども、妊娠中の血栓症リスクよりも低いものです。
ちゃんと定期的に血液検査を受けて、
血栓症に関係する指標には気を付けていてくださいね。
副作用、以上。
あとは「避妊・月経困難症(月経前症候群)緩和」以外の作用の紹介です。
ピルは、身体の外から女性ホルモンを入れるもの。
性ホルモンに関係するものとして「ニキビ」の緩和があります。
これはいわゆる「大人ニキビ(アダルトニキビ)」の緩和。
性ホルモン産生量が安定しないゆえに出るものが、
思春期の(本来の)ニキビ。
性ホルモン分泌量が安定した後はニキビは出ないはずですが。
何かのきっかけ(ストレス等)でホルモン分泌が不安定になると、
「大人ニキビ」の出現です。
ピルを飲んでいると、
ニキビに関係する「ホルモン分泌」が不安定になりません。
ホルモンは外から安定供給…これなら「大人ニキビ」は出てきません。
ニキビのでき方(と悪化の仕方)については、
次の「皮膚・粘膜のおはなし」でしますからね。
あと、生理周期を安定させることもできます。
「いつ来るか分からないから、旅行等にあたらないように…!」
なんて不安からおさらばです。
さらに、数日であれば生理の日をずらすこともできます。
直前になってからずらすことはできませんが、
事前に分かっていれば
重大イベントの日に生理が重なることを防止できます。
こちらのやり方は主治医に聞いてから。
勝手にピルの飲み方を変えてしまっては、
変なタイミングで出血(不正出血)が出て困ることになりますよ。
ピルの副作用等についておはなししましたが、
怖いものではありませんでしたね。
生理痛が辛い、月経前症候群がきつい、大人ニキビが…
なんて人は、一度婦人科を受診してピルを検討してみては?
早いうちに婦人科を受診しておくメリットは他にもあります。
前回出てきた女性良性3大疾患の把握にも役立つからです。
次回、その3大疾患についておはなししましょう。